ホームセンターなどへ小袋での市販も計画している

 抗菌された砂は、教育現場ばかりではなく、同社の主要納入先である競馬場の厩舎などにも適用できる。砂の雑菌繁殖を防ぎ、ひづめからの感染を予防できるのだ。同社ではさらに、動物園やレジャー施設、室内での遊び場など、さまざまな場面で衛生的な"抗菌砂"のニーズはあると予測している。

 販路としては、従来のネットワークを通じた販売の他、10〜30キログラム程度の小袋にして直販やホームセンターでの販売を予定。また、アライアンスでのコラボレーションにも積極的で、多様なアイデアや用途については前向きに取り組んでゆく考えだ。

精密な製造行程と
強力なロジスティクス

 かつて砂は“採れたものをそのまま使ってもらう”のが常識だった。その旧態依然とした業界で、同社は創業以来“顧客が求めているものを提供する”方針を貫いてきた。

 「私たちが供給する砂は“精密な工業製品”だと考えています。流体力学を応用したプラントで、精製や研磨などの粒度調整を行い、さまざまなスペックに対応できる付加価値を付けているのです」と原田社長は説明する。

東京・辰巳埠頭の事務所。全国に張り巡らされたロジスティクスが同社の強み

 同社の強みは、採掘から出荷までワンストップで実現しているロジスティクスにもある。採掘された青森砂は自社のプラントで精製され、専用船で出荷、同社が確保している全国六つの港のストックヤードに保管され、そこからトラックで消費地まで届けられる。

 今回の“抗菌砂”は、そうした精密な製造工程と物流システムの土台があってこそ実現できる商材であり、何よりも「輸入砂ではなく国内産、地産地消の安心安全な砂を全国に届けたい」という原田社長の情熱が込められている。

問い合わせ先
株式会社ルナサンド
http://www.lunasand.co.jp/