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アマゾンがビデオ・オンデマンドで攻勢
iPad対抗のAndroidタブレット発売への布石か

瀧口範子 [ジャーナリスト]
【第158回】 2011年8月19日
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 アマゾンが、ビデオ・オンデマンド(VOD)分野で攻勢に出ている。

 サービスの名称は、「アマゾン・インスタント・ビデオ」。今年2月にひっそりとスタートして以来、しばらく低空飛行が続いていたが、7月にCBSやNBCユニバーサルと相次ぎ提携するなど怒涛の攻勢をかけはじめた。いまでは映画やテレビ番組など9000作品以上のコンテンツをストリーミング配信できるようになり、俄然注目を集めている。

 アメリカのオンラインビデオ市場には、2強がいる。郵送DVDレンタルビジネスに端を発したネットフリックス。そして、大手映画会社、テレビ局がバックアップするHulu(フールー)だ。アマゾンはこの二社を急速に追い上げている。

 アマゾンと言えば、日本では、本に加えて、様々な生活用品を売るオンラインショップという印象が強いだろうが、アメリカでの企業イメージはかなり違ってきている。音楽やビデオといったエンターテインメントのイメージが強くなっているのだ。

 アマゾン・インスタント・ビデオもそのイメージを補強するものだ。実際、このサービスは、同社のより大きな戦略の重要なパーツを占めている。というのも、年間79ドルの会費を払うプライム会員への追加特典として無料で提供されているからである。

 プライム会員は、アマゾンのサイトで提供されるほとんどの書籍、そして多くの生活用品を送料無料でスピーディーに配送してもらえるという特典を与えられている。同社は、そのプライム会員への特典になんと9000作品のインスタント・ビデオ見放題も追加したのだ。

 ちなみに、ネットフリックスのビデオ・ストリーミング見放題は、月額7.99ドルで、年間換算で95.88ドル。いかにアマゾンのサービスがお得かが分かるというものだろう。

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瀧口範子 [ジャーナリスト]

シリコンバレー在住。著書に『行動主義: レム・コールハース ドキュメント』『にほんの建築家: 伊東豊雄観察記』(共にTOTO出版)。7月に『なぜシリコンバレーではゴミを分別しないのか?世界一IQが高い町の「壁なし」思考習慣』(プレジデント)を刊行。


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