[ブリュッセル 24日 ロイター] - 欧州連合(EU)外交筋や当局者、専門家らによると、欧州委員会は、米国の新たな対ロシア制裁法案を巡り、欧州企業に影響が及ぶ可能性があることから報復措置を検討する可能性があるが、域内からの反発に直面する見通しだ。

米議会上下両院の指導部が合意した対ロシア制裁強化法案は、ロシアのエネルギー輸出パイプラインの建設事業を支援する企業に罰金を科すとみられ、ロシアからドイツにつながるガスパイプライン「ノルド・ストリーム2」事業に参加するEU域内企業が影響を受ける見込みだ。

EUの産業団体ビジネスヨーロッパのディレクター、マーカス・ベイヤー氏は米国に対し「EUとその市民や企業に主な打撃を与える一方的な行動を避けるよう」促した。

法案は米上院ですでに可決済みで、25日に下院で採決される予定。欧州委員会はその翌日となる26日に対策を協議する。

ノルド・ストリーム2に参加する欧州企業には独石油・ガス会社ウィンターシャル、エネルギー取引を手掛ける独ユニパー<UN01.DE>、英蘭ロイヤル・ダッチ・シェル<RDSa.L>、オーストリアのOMV<OMVV.VI>、仏公益企業エンジー<ENGIE.PA>などが含まれる。

EU当局者によると、欧州委はEUのエネルギー企業を制裁の対象から外すことを米国に約束するよう求める可能性や、EU法を用いて欧州企業に対する米国の措置を阻止する可能性があるほか、特定の米企業と事業を行うことを全面的に禁止する可能性もあるという。

ただ米企業によるEU金融機関へのアクセス制限といった報復措置は加盟国の全会一致での承認が必要となる。

報復措置はEUのロシア産ガスへの依存拡大につながることから、ポーランドやバルト諸国など旧ソ連諸国が支持する可能性は低い。