[27日 ロイター] - <為替> ドルが主要通貨に対して上昇した。ドルは朝方、前日の米連邦公開市場委員会(FOMC)声明発表後に売られた流れが続いていたが、堅調な米経済指標を受けて持ち直した。

米商務省が発表した6月の耐久財受注統計では、コア資本財(非国防資本財から航空機を除く)の出荷が5カ月連続でプラスとなり、第2・四半期は設備投資が経済成長を下支えしたことを示唆した。

ユーロ/ドル<EUR=>は海外市場で一時、2015年1月以来の高値となる1.1776ドルに上昇していたが、終盤は1.17ドルを割り込んで0.4%安となった。

ポンド/ドル<GBP=>は先に16年9月以来の高値に上昇したが、終盤は0.35%安の1.3075ドルで推移している。

終盤のドル/スイスフラン<CHF=>は1.4%高の0.9640フラン。米ドル/カナダドル<CAD=>は0.85%高の1.2548カナダドルとなった。

みずほの通貨ストラテジスト、シリーン・ハラジリ氏は「最大の材料は、予想より強い内容だった耐久財受注統計だった」と指摘。「最近の米経済指標は弱めの内容が続いていただけに、耐久財受注統計は朗報になったと思う」と述べた。

米連邦準備理事会(FRB)が前日発表したFOMC声明で追加利上げを急がない姿勢を示したことを受け、前日はドルが売られる展開となった。

<債券> 国債と社債の発行が相次ぐ中、国債価格が下落した。市場では前日に米FRBがバランスシート縮小開始が近いと示唆ことがなお意識されている。

財務省はこの日に280億ドルの7年債入札を実施。今週の総額880億ドルの国債入札を締めくくった。このほかIFRによると、米通信大手AT&T<T.N>が7トランシェで構成される総額225億ドルの社債をローンチ。これには償還期限が20─41年の社債も含まれる。

シーポート・グローバル・ホールディングスのマネジング・ディレクター、トム・ディガロマ氏は「AT&Tの巨額の社債発行を受け、この日の債券市場は売り先行となった。特に長期債に対する重しとなっている」と述べた。

10年債<US10YT=RR>は8/32安。利回りは2.31%と、前日終盤の2.28%から上昇した。

長短利回り格差は拡大し、5年債と30年債の利回り格差<US5US30=TWEB>は108ベーシスポイント(bp)と、6月14日以来の高水準となった。

FRBは前日まで開催したFOMCで金利据え置きを決定。低インフレに対する警戒感を示しながらも、バランスシートの縮小に「比較的早期に」着手する姿勢を表明した。市場ではFRBは9月のFOMCでバランスシートの縮小を正式に発表するとの見方が大勢となっている。

この日の取引では3カ月物国庫短期証券(TB)<US3MT=RR>の利回りが低下した。議会で連邦債務上限の引き上げ合意が遅れれば政府はデフォルト(債務不履行)に陥るとの懸念から、10月に償還を迎える3カ月物TBの利回りは今週に入り約10年ぶりの高水準を付けていた。

<株式> 高安まちまちで引けた。ダウ工業株30種が終値で過去最高値を更新した半面、S&P総合500種とナスダック総合は、ハイテク株や運輸株の値下がりを受けて反落した。

取引中盤までは主要3指数がそろってザラ場の最高値を更新する展開だったが、午後になって地合いがやや悪化。貨物輸送のユナイテッド・パーセル・サービス(UPS)<UPS.N>の業績見通しが市場の懸念を招いて4%安となったことが運輸株を圧迫し、年初来でセクター別の成績が最も良いハイテク株も売りを浴び、S&P情報技術株<.SPLRCT>は0.8%下落した。

ヴンダーリッヒ・セキュリティーズのチーフ市場ストラテジスト、アート・ホーガン氏は「多くの好材料は既に相場に織り込まれているとの考えが一般的になっている。これはハイテク株にも当てはまる。(ハイテク株などの成長期待が大きい)モメンタム株が抱える問題は、いったん方向感が生まれると値動きが荒っぽくなることで、今日の光景はまさにそれだ」と指摘した。

一方、オークブルック・インベストメンツのピーター・ジャンコフスキス共同最高投資責任者(CIO)は「ハイテク株の全体的な弱さは私にとってややサプライズだ。決算はそれなりに良好な内容だった。月末が迫る中で、多少の利益確定売りが出ている可能性もある」と述べた。

ナスダック100指数に連動する上場投資信託(ETF)のパワーシェアーズQQQトラストは、昼過ぎに上場来高値を付けた後に急落するなど乱高下。フォート・ピット・キャピタル・グループのシニア株式調査アナリスト、キム・フォレスト氏は、午後に相場全般が軟化したのはETFの大口投資家が売りに動いたからではないか、との見方を示した。

<金先物> 米国の追加利上げ観測が後退したことなどから、金利を生まない資産である金が買われ、4営業日ぶりに反発した。中心限月8月物の清算値は前日比10.60ドル(0.85%)高の1オンス=1260.00ドルと、中心限月ベースでは6月14日(1275.90ドル)以来約6週間ぶりの高値となった。

米連邦準備制度理事会(FRB)は前日、連邦公開市場委員会(FOMC)終了後の声明で、大方の予想通り政策金利の据え置きを発表。保有資産圧縮の開始時期については「比較的早期」と表明したが、物価認識に関しては小幅に下方修正し、インフレ動向に警戒感を示した。これを受けて、追加利上げが後ずれするのではないかのと観測が広がり、金利を生まない資産である金には買いが入った。

また、このFOMC声明を受けて、外国為替市場ではユーロ買い・ドル売りが進行。その後も対ユーロでドル安基調が続き、ドル建てで取引される金塊などの商品に割安感が生じたことも、金買いを後押しした。さらに、この日はショートカバーや安値拾いの買いも見られた。

<米原油先物> 米国内の供給過剰懸念が和らぐ中、4営業日続伸した。米国産標準油種WTI9月物の清算値は前日比0.29ドル(0.59%)高の1バレル=49.04ドルと、前日に続き中心限月ベースで5月30日(49.66ドル)以来約2カ月ぶりの高値となった。10月物の清算値は0.32ドル高の49.17ドル。

米エネルギー情報局(EIA)が前日に発表した最新週の米原油在庫は前週比720万バレル減と、市場予想を上回る大幅な取り崩し。また、ガソリン、ディスティレート(留出油)いずれの在庫も減少した。これを受けて、この日も買いが一段と入り、相場は一時49.24ドルまで上昇した。

このほか今週は、ヘスやアナダルコ・ペトロリアムなど複数の米シェールオイル生産大手が2017年の設備投資を削減すると相次いで発表。米国のシェールオイル増産の動きに歯止めがかかるとの期待が浮上したことも相場の押し上げ材料となったもよう。

ただ、米国内での生産ペースの鈍化は一時的な現象とみる向きがあるほか、世界的な需給不均衡是正にはまだ時間がかかるとの見方もくすぶっており、上値は抑えられた。

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