[北京 27日 ロイター] - 中国の新興電気自動車(EV)メーカーの間で提携強化を模索する動きが広がっている。市場での競争激化や来年にも予想される規制強化を見据え、経営資源を共通化して開発に掛ける資金と時間を節約するのが狙いだ。

新興EVメーカー、奇点汽車の創業者で最高経営責任者(CEO)の沈海寅氏はロイターのインタビューで、CHJオートモーティブ、紅星汽車、AIWAYS、WMモーターの同業4社と数カ月にわたり提携について協議していると明かした。今年末に共通のEV用プラットフォームの開発に着手することを目標に掲げ、9月末までに話し合いを終える予定だという。

沈氏は、EV業界全体がインターネットに接続する、バッテリー駆動型のスマートカーに移行しており、メーカーが差別化を図るのはますます困難になっていると指摘。「ブランドが異なろうとも基本ソフト(OS)はアンドロイドで共通しているスマートフォンと同じように、スマートEVも競争において所有者の満足度やサービスの比重が高まる」とみている。

自動車メーカーは何年も前から、プラットフォーム技術の共通化によってガソリンエンジン車のコストを削減しようと努めてきた。しかしなおモデルごとに異なるプラットフォームが使われている例は少なくない。

沈氏は「ガソリンエンジン車のプラットフォームは設計が過剰になっている場合が多い」と指摘。先進的なプラグインEVの設計に当たり、性能の過剰なプラットフォームを設計しようとは思わないとした。

その上で新興メーカーが団結すれば、より低いコストでより先進的なEV技術が開発できると強調した。

沈氏は、今回の提携が具体化すれば、プラットフォーム開発を請け負う別会社を設立し、世界中の独立系メーカーに技術開発への参加や提携を呼び掛ける考えを示した。

さらに、提携には車軸やサスペンションなどプラットフォームの主要部品を供給する外部の業者が加わる可能性もあるとした。

経営資源やノウハウの共通化に向けた動きから、中国の新興EVメーカーが製品開発にかける時間や資金を抑えようと躍起になっている様子が読み取れる。EV市場はこれまで米テスラ<TSLA.O>がけん引役となっていたが、大手自動車メーカーが次々と参入し、中国の新興メーカーへの圧力は増している。

また、中国当局は新興EVメーカーの一部が技術面で手を抜いたり、補助金だけを目当てにしているとの懸念から、市場への新規参入の承認を棚上げしている。新興EVメーカーの創業者や幹部など3人がロイターに語ったところによると、規制当局は事業免許の承認手続きの見直しを進めており、来年早々にも技術要件が厳しくなる可能性がある。

WMモーターのフリーマン・シェンCEOは、新興メーカーが基本的な技術の開発で提携の検討に動いたのは技術要件の厳格化が大きな要因だと認め、新興メーカーはEV市場に参入してくる大手メーカーと競うために団結が欠かせないと述べた。

先月公表された計画案によると、中国政府はバッテリー駆動車やプラグイン・ハイブリッド車など「新エネルギー車(NEV)」の販売比率を来年までに8%とし、2020年には12%まで高める方針。

中国汽車工業会の予想によると、NEVの今年の販売台数は70万台程度、国内におけるシェアは約3%と予想されている。

(Norihiko Shirouzu記者)