2026年の酒税一本化を見据えて各社がビール強化策を仕掛ける中、キリンも本丸の改革で勝負に臨む Photo by Akira Yamamoto

「30周年を迎える2020年が一つのゴール。『一番搾り』を日本のビールの本流にしていきたい」。キリンビールの布施孝之社長は、一番搾りのリニューアルを発表した今夏の説明会でビール再起への熱を込めた。

「一番搾りをビールの本流に」という社長発言の背景にあるのは「トップシェア奪還」。キリン幹部はそう語気を強める。

 現在、国内のビール市場でトップシェアを走るのは、アサヒビールの「スーパードライ」だ。キリンは1998年にビールのシェア首位をアサヒに奪われて以降、業界2位がすっかり定着してしまった。そんな中で近年、「キリンラガービール」とのツートップ展開から転換し、一番搾りを明確なフラッグシップブランドと位置付けてのてこ入れに乗り出した。

 確かに、縮小傾向のビール市場にあって、一番搾りブランドは、地域別に専用商品を展開する「47都道府県の一番搾り」キャンペーンなどもあり、3年連続で販売数量が増加している。17年の計画も前年比6.9%増と野心的だ。クラフトビールなどの個性ある商品に注力するのも、「最終的には一番搾りに帰ってきてもらいたい」(前出のキリン幹部)という本音があるから。今夏のリニューアルで味を改良し、過去最高水準の広告出稿を仕掛けて市場拡大を狙う。