年2、3割ペースで発光コスト下落
技術革新も進む

白色LEDは発光コストが下落する一方で発光効率の改善が進む。発光コストは、2009年から15年までに、年率30%程度での下落が予想される。13年には蛍光灯並みの発光コストにまで低下することになる

 その一方で、店舗やオフィスにおける直管蛍光灯から直管LEDへの交換は、まだまだ進んでいない。直管LEDの価格に割高感があることや、LED照明器具ごと交換しなければならないこと、照明器具の配置も見直す必要があることなどがネックとなっている。
しかしそれも時間の問題かもしれない。LED照明の明るさや機能など、技術革新はさまざまな方面で急速に進んでいる。蛍光灯の器具でそのまま使える直管LEDも増えてきた。なによりも価格が年々低下している。

「半導体で有名な『ムーアの法則』のように、LED照明の材料であるLEDパッケージには『ハイツの法則』が存在します。LEDパッケージ当たりの発光量は10年間で20倍に拡大し、発光コストは10分の1になるという法則です。実際の発光量や発光コストのデータを見ると、この法則よりもやや加速的に改善していることがうかがえます」(横山氏)

 LED以外の次世代照明では、有機ELも期待されている。省エネ性や耐久性、デザインの柔軟性などが特長だ。しかし横山氏は、「メーカーが大型有機ELテレビの市場投入を目指しているのが2012年後半。有機EL照明はその後です。今後のLED照明の進化とコスト低下を考えると、有機EL照明の実用化は厳しいかもしれません」。

 LED照明分野には、世界的メーカーだけでなく、中小のメーカー、異業種からの新規参入も相次ぎ、生き残り競争が激化している。ユーザーとしては、いっそうの低価格化、性能向上に大いに期待したい。