ビジネスはもちろん、観光においても香港はアジアを代表する人気都市。社員旅行、報奨旅行の行き先として香港を選ぶ日本企業が急増している。日本から近いだけでなく、治安がよく安心して過ごせること、グルメや買い物だけでなく、団体旅行ならではの魅力が充実していることなどが人気の理由だ。

日本から約4時間
治安がいいのも好条件

 日本から香港への社員旅行、報奨旅行は2006年ごろから増加傾向にある。100人未満の通常規模の団体が急増したことに加え、100人から数千人規模の大型企業団体旅行も増えているのが特徴。震災の影響で一時的に落ち込んだが、5月以降は再び数百人規模の企業団体旅行の予約も戻ってきているという。

ランタオ島にある香港国際空港からセントラル(中環)まではエアポートエクスプレスで24分。空港から1分のところにはコンベンション施設「アジアワールド・エキスポ」もあり、ビジネスの利便性も高い

 企業団体旅行の行き先として香港が選ばれるのには理由がある。第1に日本から飛行機で約4時間と近く、燃油サーチャージやツアー料金などが抑えられること。フライト時間が短いため2泊3日でも十分に楽しめることや、時差が1時間しかなく、時差ボケや疲れの心配がないことなども、忙しいビジネスマンにとってはありがたい。

 また、香港へは成田、関空など全国7空港から週161便のノンストップ便が運航している(4月1日現在)。全国に支店や営業所を構える企業であっても、各地域の社員が最寄りの空港を経由して香港に集合できるので便利だ。

 もう一つ紹介したいのが、香港の治安のよさ。じつは香港の犯罪率(人口10万人当たりの犯罪認知件数)は日本に比べても格段に低い。社員やその家族が安心・安全に旅を楽しめることは企業団体旅行の絶対条件。その意味でも、香港は望ましい選択であるといえそうだ。

新たな観光エリア・
ランタオ島の魅力とは?

 香港が日本企業の団体旅行に選ばれているもう一つの理由がパーティプランの豊富さだ。特に近年、旅行者のあいだで注目が集まっている場所が香港国際空港のあるランタオ島である。

ランタオ島を“空の散歩”気分で楽しめるアジア最長規模のゴンドラ「ゴンピン360」

 近代的な高層ビルが林立する市街地とは対照的に、ランタオ島は手つかずの大自然や美しいビーチが広がるリゾートアイランド。1998年の香港国際空港の開港以来、さまざまな観光・レジャー施設が開発され、いまや香港でいちばんホットな観光スポットの一つだ。

 たとえば、00年にオープンした商業施設「シティゲート・アウトレット」は欧米ブランドのアウトレット品の宝庫。空港のそばに05年に完成した大型コンベンション施設「アジアワールド・エキスポ」には700~5000人規模の会議や会食が可能なホールや1万3500人を収容するアリーナもあり、浜崎あゆみなど日本や欧米のアーティストも公演している。

 07年、香港国際空港第2ターミナルの完成とともに誕生した商業施設「スカイプラザ」にはショッピングやエンターテインメント、食事が楽しめる店が充実。同じく空港そばに07年にオープンした「スカイシティ・ナイン・イーグルス・ゴルフ・コース」(9ホール)は、空港やアジアワールド・エキスポの利用者であればプレーすることができる。帰国前にちょっとゴルフを楽しむことも可能だ。

 09年には、ランタオ島内の馬湾公園に旧約聖書に書かれた「ノアの箱舟」の世界初の実物大レプリカも登場。ランタオ島の魅力は年々高まっている。