7月26日、英国の難病を患う乳児の尊厳死を巡る問題がソーシャルメディアで過熱しており、ある一家族の悲劇だったものが、世界的な論争の的へと姿を変えている。写真は乳児の両親を支援する人々。ロンドンで24日撮影(2017年 ロイター/Peter Nicholls)

[ロンドン 27日 ロイター] - 英国の難病を患う乳児の尊厳死を巡る問題がソーシャルメディアで過熱しており、ある一家族の悲劇だったものが、世界的な論争の的へと姿を変えている。多くの寄付が集まる一方で、殺害の脅迫が寄せられ、バチカンや米ホワイトハウスからもコメントが寄せられた。

 ツイッターでは先月初めから、乳児の名前であるチャーリー・ガードのハシュタグ「#CharlieGard」が約50万回使われている。英国でのグーグル検索回数は、チャーリーの名前がメイ英首相を上回り、全世界でも、米国政治を揺るがす医療保険制度改革法案を上回るほどだ。

 生後11ヵ月のチャーリーちゃんは、筋肉の衰えが進行する遺伝性の難病に侵されており、脳の障害も認められた。ロンドンの病院は尊厳死を勧めたが、両親は拒否。米国へ渡って治療を受けさせることを希望した。

 だが英国の裁判所は、この治療計画では治癒する可能性が低く、チャーリーちゃんの苦痛を長引かせるものでしかないと病院の主張を支持し、米国渡航を禁止した。欧州の人権裁判所もこの判断を支持した。

 両親は、米コロンビア大学の平野道雄教授の治療法が、チャーリーちゃんに効果をもたらす可能性を示す新たな証拠があると主張し、渡航禁止の判断を覆そうとしていたが、病状が進行し、回復が見込めないことが分かり、訴えを取り下げた。

 この裁判では、子どもの運命を決めるべきは親か、それとも医師かという、苦渋に満ちた倫理的なジレンマに注目が集まった。