新任マネジャーとしてやる気のないチームを任されたとき、黙って現状を受け入れる方法と、信念に基づき改革に着手する方法の2つがある。後者を選択し悪しき慣習を変えるのは容易ではないが、そのために有効な6つのステップが示される。


 ポーラは新任のマネジャーだ。これは、よいほうの知らせだ。

 悪い知らせは、彼女が引き継いだのが問題のあるチームだったこと。ポーラが管理していく部門には、長年にわたる暗黙のルールがあるが、その一部は彼女が見たところ効果がないばかりか、ひょっとしたら倫理的に問題がありそうなのだ。

 スタッフは年中、個人的なプロジェクトを勤務時間中にしている。顧客をなおざりにして昼休みを勝手に延長している。そのうえ、ポーラの前任者は5段階評定の勤務査定で全員を「5」とするのが常だったが、ポーラは「5」に値する人を一人も見つけられずにいた。

 個々人やチームのパフォーマンスの実態が明らかになるにつれ、ポーラは一般社員として働いていた頃のシンプルな日々を恋しく思い始めた。

 新任マネジャーの大半は、改革したい問題を着任早々に見つける。だが新任のリーダーは、こうもアドバイスされる。自己中心的とか権威主義的などと思われるリスクを冒して注目を浴びるよりも、ある程度時間をかけて部下の話を聞き、現状を受け入れるほうが賢明だ、と。

 とはいえ、改革の必要性が深刻かつ緊急である場合は、どうすべきか。基本的な職務を履行しつつ、抵抗を最小限に抑えるにはどうすればよいのか。

 悪いマナーに対処することと、悪しき慣習を改革することの間には違いがある。前者は1人か2人の不適切でひねくれた言動に立ち向かうことが求められる。後者はチーム全体のルールの修正が必要だ。迅速かつ抜本的な改革の必要性を感じている新任マネジャーに向けて、提案を以下に示す。