一方言だった英語を文法崩壊とシェークスピアがメジャーにした

英語は支配と従属の2重構造

 英語には大きな2重構造が存在します。単語にしても同じようなものに対して2種類の表現があったりします。

椅子:stool(肘掛けなし)とchair(肘掛け付き)
質問:askとquestion
:cowやbull(雌牛と雄牛)とbeef(牛肉)

 後者はすべてフランス語由来。日本での漢語が中国からの輸入品であるように、英語にも外から入り込んできた言葉があるのです。

 英語(English)、つまりイングランド人が話す言葉の元はドイツ語です。ブリテン島(イギリス本島)はもともとケルト人が支配していましたが、そこに5世紀頃ヨーロッパ大陸からアングロ、サクソン、ジュートの3部族が攻め込み、制圧します。「ゲルマン族の侵攻」です。これら部族が支配した地域は、アングロランド(Anglo Land)、後にイングランド(England)と呼ばれることになりました。

一方言だった英語を文法崩壊とシェークスピアがメジャーにした三谷作成 拡大画像表示