[シドニー 1日 ロイター] - オーストラリア準備銀行(RBA、中央銀行)は1日、政策金利のオフィシャルキャッシュレートを過去最低の1.50%に据え置くと決定した。

決定はほぼ市場の予想通りで、ロイター調査によると、エコノミスト47人のうち46人が据え置きを予想していた。

政策金利は昨年8月から1年にわたって据え置かれており、中銀が景気支援に軸足を置く中、エコノミストの多くは現状維持がもう1年続く可能性があるとみている。

今回の声明では、豪ドル高をけん制する文言も強められた。声明は通貨高が物価上昇圧力をさらに抑制すると指摘。生産と雇用の見通しの重しになると表明した。

豪ドルの対ドル相場<AUD-D4>は、主としてドルの低迷を背景に6月から約8%急伸し、2年ぶりの高値をつけている。

直近は変わらずの0.8010ドル。

こうした豪ドルの上昇を受けて中銀は8月の声明に「通貨の上昇により、経済活動の好転とインフレ率の上昇は、現在予想されているペースより緩やかになることが見込まれる」との新たな文言を追加した。

中銀は豪経済全体については楽観的だが、インフレの伸び悩み、過去最低水準の賃金伸び率、消費者債務の増大が足かせになっている。

昨年8月にはデフレリスクの回避を目的に政策金利を引き下げた。

しかし先週発表された消費者物価指数(CPI)統計によると、インフレ率は中銀の目標レンジである2─3%を依然として下回っている。

声明は「入手可能な情報を考慮し、理事会は今回の会合で金融政策スタンスを維持することが、持続可能な経済成長およびインフレ目標の達成と整合的と判断した」と説明。

中銀は引き続きインフレが徐々に上向くと予想し、今後数年の成長率は3%前後を見込んでいる。

CBAのエコノミスト、マイケル・ブライス氏は「豪ドル高への懸念を強めたことが最大のサプライズだ」と指摘。「RBAの最後の政策変更は昨年8月だった。今後もう1年は静止状態が続くと思う。利上げについての本格的な討議は、来年遅くまで行われないのではないか」と語った。

ロイター調査によると、今後1年間の政策金利について、エコノミスト42人が据え置きを、9人が引き上げを予想している。

消費者物価の上昇を抑制しているのが過去最低水準の賃金伸び率で、現在の1.9%は10年前の半分以下にすぎない。中銀は、所得の伸びが家計債務の増大ペースを大きく下回っていることを懸念している。

声明は「低水準の金利が引き続き豪経済を支援している」と指摘した上で、「国内経済の不透明感の一因は消費動向だ。小売売上高は最近回復したが、実質賃金の伸び鈍化と高水準の家計債務が、消費の伸びを抑制する可能性がある」と警告した。

シティのエコノミスト、ポール・ブレナン氏は「中銀が雇用については楽観的なものの、消費の見通しや賃金伸び率の鈍さを懸念していることも明らかだ。今年と来年しばらくは、政策金利が据え置かれると引き続き予想している」と語った。

*エコノミストのコメントなどを追加しました。