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田村耕太郎の「坂の上に雲はない!」

政治家に選ばれるリーダーに指導力はない!
貸し借りでがんじがらめの日本国首相

田村耕太郎
【第28回】 2011年8月25日
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問題の本質に切り込めない各候補

 またもや総理の交代だ。次の首相にもリーダーシップは期待できない。それは個人の資質だけの問題ではない。何党が政権をとろうが、首相になるためには、たくさんの政治家の支援と引き換えに色んな約束をしなければならない。最初からリーダーシップがなくなるような選び方だ。政治家に選ばれるリーダーは国民のリーダーではなくなるのだ。

 民主党代表選も自民党総裁選も合計5回も経験させてもらったが、どの党だろうが、どの候補だろうが、何度党首選を繰り返そうが、全く“問題の本質”を改善する気配がみられない。“問題の本質を改善すること”を争点にすべきだ。今回はそれを訴えたい。

 問題の本質とは日本の統治機構の課題である首相にリーダーシップが生まれないことだ。原因は2つ。

1.政治家が国のトップを選ぶ
2.参議院が強過ぎる

 この2点である。代表候補者たちも首相になって本当にリーダーシップを発揮したいなら、上記の2点を改善することを争点にすべきである。ただ、これを争点にできない理由もわかる。そんなことをすれば、間違いなく参議院側の反発を買う。政治家に選ばれる身である以上、参議院議員の一票も大事なのだ。

政治家の動機は国民の動機と違う

 まず「政治家にトップを選ばせること」の弊害から述べたい。国民にトップを選んでもらう場合と政治家に選ばせる場合、各々の動機は当然異なる。今の日本国民は有能なリーダー、強いリーダーを求めると思う。しかし、党首選の内側を見てきた経験者として本音を言わせてもらえば、政治家の動機は以下のようだと思う。もちろん、政治家の中には国民と同じ目線で選ぶ猛者もいることは認めるが、

・ポジションをくれるか?
・選挙の票や自らの基盤(資金を含めて)や利権の強化につながるか?
・自分の政策(この背景には利権や票が絡むことが多い)を飲むか
・あらゆる意味で自分を引き立てる候補か?

 党首候補は派閥や実力者の下をあいさつに回りるが、これが問題だ。ただのあいさつで終わるはずもなく、定かではない支援の約束と引き換えに政策や人事の約束をさせられる。日本の二大政党は異なる思想や政策の政治家の寄せ集めである。同じ党とも思えないほどの、全く政策が違う派閥や実力に頭を下げる時は、自身の政策を捻じ曲げる時である。政治家の支援を要請する時点で約束でがんじがらめになり、リーダーシップは消え去るのだ。

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田村耕太郎

エール大学、ハーバード大学元研究員。
世界で最も多くのノーベル賞受賞者を輩出したシンクタンク、ランド研究所にて唯一の日本人研究員を務めた。新日本海新聞社相談役。前大阪日日新聞代表取締役社長。国立シンガポール大学公共政策大学院元研究員。
‘02年から‘10年まで2期参議院議員を務める。その間、内閣府大臣政務官(経済財政・金融・地方分権・再チャレンジ各担当)、参議院国土交通委員長を歴任。
著書には『君は、世界を迎え撃つ準備ができているか?』『君は、こんなワクワクする世界を見ずに死ねるか!?』などがある。

 

 


田村耕太郎の「坂の上に雲はない!」

欧米だ、シンガポールだ、韓国だ、中国だ、そんなことを言っても、キャッチアップのモデルはもはや世界に存在しない。日本は日本の現状に合わせて自らをモデルチェンジするしかない。坂の上にもはや雲はない!

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