[ロンドン 3日 ロイター] - イングランド銀行(英中央銀行、BOE)は3日、大方の予想通り、政策金利を0.25%に据え置くことを決定した。欧州連合(EU)離脱(ブレグジット)が経済を下押しする恐れがあるとして、成長率と賃金の伸び見通しを下方修正した。

向こう2年の見通しが引き下げられたことで、市場では利上げ観測が一段と後退した。

中銀はブレグジットが家計の購買力を損なうとして、今年のGDP伸び率を5月時点の1.9%から1.7%に、来年は1.7%から1.6%にいずれも下方修正した。19年の見通しは1.8%で据え置いた。

ただ、今後1年以内に利上げを開始し、向こう3年間に投資家が予想しているよりも若干高めに政策金利を引き上げる可能性があることを再び示唆した。

カーニー総裁は会見で「とりわけ投資低迷など、ブレグジットを巡る不透明感は、経済がインフレを押し上げることなく、以前ほど速いペースで成長できないことを示している。成長が小幅に改善するだけで利上げが前倒しされる可能性がある」と述べた。その上で「経済の制限速度が低下すれば、需要動向次第で金融政策にも影響が出てくる」とした。

金融市場では中銀が利上げを急がないとの見方が広がり、ポンドが対ドルで下落する一方、英株・債券価格は大幅上昇した。

米シティグループは、英中銀が今回の会合で示唆している以上に、無秩序なブレグジットに向かう事態を不安視していると分析。「中銀が公式に認められるよりも、ブレグジットによる下振れリスクは大きく、2019年以前の利上げはかなりハードルが高い」とした。

その上で、円滑なブレグジットとなる公算がなお大きいとみられるが、利上げは2019年終盤で、2021年末までに2%に引き上げると予想する。

英中銀はインフレ率について、今年10月に3%付近でピークを迎え、1年後には2.58%に低下するとし、5月予想の2.64%からやや引き下げた。

賃金の伸び見通しについても、2018、19年いずれも0.5%引き下げ、それぞれ3%、3.25%とした。生産性の伸び低迷やブレグジットを巡る不確実性が下方修正の要因としている。

スコシア銀行のエコノミスト、アラン・クラーク氏は「特筆すべきは、失業率が想定を下回っているにもかかわらず、賃金の伸び見通しを下方修正するとともに、ポンド安にもかかわらず、インフレ見通しもやや低めにしている点だ」と話す。

据え置きの決定は6対2で、ロイター調査の大半のエコノミスト予想と一致した。

前回6月の会合では予想外に3人の政策委員が0.5%への利上げを支持したことから、市場は数週間前から今回の会合で利上げが決定される確率を織り込み始めていた。

もっとも、利上げ論者の1人だったフォーブス委員はその後退任している。

8月の金融政策委員会では、ソーンダーズ委員とマカファーティー委員が再び0.50%への25ベーシスポイント(bp)引き上げを主張した。

しかし、6月に、今年下半期の利上げを支持する公算が大きいと語っていたハルデーン理事は据え置きを支持した。

中銀は資産買い入れ枠も据え置くとともに、銀行向け資金供給スキーム(TFS)は予定通り、2018年2月に終了すると明らかにした。

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