[東京 4日 ロイター] - トヨタ自動車<7203.T>の豊田章男社長とマツダ<7261.T>の小飼雅道社長は4日、米合弁工場建設や電気自動車(EV)共同開発などを柱とする資本業務提携について会見した。豊田社長は自動車業界では異業種からの参入で「前例のない海図なき戦いが始まっている」とし、今回の提携を勝ち残りのための戦略であると強調。小飼社長も「新たなプレーヤーと協調、競争しながら独自ブランドを築き上げる」と語った。

<「今日が将来への一里塚」>

豊田社長は「かつての自動車業界の競争は規模を追う競争だったが、今はグーグル<GOOGL.O>やアップル<AAPL.O>、アマゾン<AMZN.O>などの新しいプレーヤーが登場している」と指摘。新たな競争相手に対抗するには「とことん車づくりにこだわらなければならない」と語り、「(トヨタが)めざす『もっと良い車づくり』を実践している」マツダとの提携効果に期待を寄せた。

資本提携によって500億円を相互出資する合意に踏み込んだ理由について、小飼社長は「切磋琢磨による協業を持続的な形とするため」と説明。豊田社長は「今日が将来に向けての一里塚」とし、「自主独立を尊重し、持続性をもって協力関係を構築する」ことが目的であると述べた。

<「未来の車を汎用品にしない」>

豊田社長はまた、両社の提携はEVなど「未来の車を決してコモディティ(汎用品)にしたくないという思いを形にした」とも説明。「EVの課題は電池をはじめとするコスト削減と車の『味』づくり」と指摘した。その上で、個性を出しにくいEVで「いかにブランドの味を出すかが挑戦だ」と語った。

小飼社長も「走る喜びが感じられる電動車をどう開発するか」との課題認識を示し、トヨタが進める新設計思想「TNGA」とマツダの一括規格構想などをうまく融合させると話した。

<米国でカローラ生産集約、マツダブランド強化>

米国での新工場建設が、今年1月にメキシコ工場新設計画を批判したトランプ米大統領の発言に配慮した決断だったかとの質問に対し、豊田社長は「まったく関係ない」とした上で、年初から北米での最適な生産体制のあり方を見直していたという。

その結果、北米向け「カローラ」の生産は、現在建設中のメキシコ工場ではなく、ミシシッピ工場とマツダとの新工場という米国内の拠点に集約することを決めたと説明した。小飼社長はマツダの米国でのブランドを強化する上で重要であるとの考えを示した。

トランプ大統領は4日、両社の米工場新設について、さっそくツイッターに投稿し、「米国の製造業にとって素晴らしい投資だ」とコメントしている。

(白木真紀 編集:北松克朗)