ダイヤモンド社のビジネス情報サイト
inside

韓国のLNG調達にメドも
予断を許さぬ価格上昇リスク

週刊ダイヤモンド編集部
2011年8月30日
著者・コラム紹介バックナンバー
韓国ガス公社は震災直後、日本の電力各社にLNG船10隻分(1隻当たり7万トン)を融通する“恩返し”の提案を行ったという
Photo:REUTERS/AFLO

 東日本大震災で高騰したLNG(液化天然ガス)のスポット価格が、上昇を続けている。東アジア向けのスポット価格は震災直後、原発停止に伴う日本での需要急増を受け、震災前の100万Btu=9ドル台から約12ドルまで跳ね上がった。だが「上昇幅は小さかった」と三菱商事幹部は振り返る。

 その理由は、世界の年間LNG輸入量の約15%に当たる3000万トン強(2010年)を輸入し、日本に次ぐ世界2位のLNG輸入国である韓国からの“恩返し”だ。

 発電用を主とする日本と違い、韓国のLNGは、オンドル(床下暖房)など冬場の暖房用が主流で、夏冬の需要差は倍近い。このため、韓国は例年なら、在庫が底を突く春先から冬に向けたスポット調達を始める。

 ところが、韓国は今年、震災に見舞われた日本のため、自国のスポット調達を差し控えていたのだ。

 じつは、01~03年、大寒波が韓国を襲った際、日本の電力会社が韓国にLNGを融通した歴史がある。韓国ガス公社首脳は、日本の電力会社幹部に「これまでの恩の一部を返す」と告げたという。

 しかし先月、その韓国ガス公社も「スポット買いを再開せざるをえない」と日本側に“仁義”を切ってきた。冬に向けた調達のタイムリミットを迎えた韓国の参入以降、価格は現在、震災前の1.5倍に当たる約15ドルに上昇した。

 足元では、「今月下旬、韓国の調達量もメドが立った。価格がさらに急上昇する可能性は薄まった」と別の商社幹部は胸をなで下ろす。ただ、今冬の寒波次第で、韓国はさらにLNGのスポット買いを積み増さざるをえず、予断は許されない。

(「週刊ダイヤモンド」編集部 宮原啓彰)

週刊ダイヤモンド

今週の週刊ダイヤモンド

2017年1月21日号 定価710円(税込)

特集 天才・奇才のつくり方 お受験・英才教育の真実

お受験・英才教育の真実

【特集2】
村田 vs TDK
真逆のスマホ戦略の成否

【下記のサイトからご購入いただけます】

(ストアによって販売開始のタイミングが異なるため、お取扱いがない場合がございます)

【下記のサイトからご購入いただけます】

(ストアによって販売開始のタイミングが異なるため、お取扱いがない場合がございます)

【下記のサイトからご購読いただけます】

(ストアによって販売開始のタイミングが異なるため、お取扱いがない場合がございます)

スペシャル・インフォメーションPR
クチコミ・コメント

DOL PREMIUM

PR
【デジタル変革の現場】

企業のデジタル変革
最先端レポート

先進企業が取り組むデジタル・トランスフォーメーションと、それを支えるITとは。

経営戦略最新記事» トップページを見る

最新ビジネスニュース

Reuters

注目のトピックスPR

話題の記事

週刊ダイヤモンド編集部


inside

産業界・企業を取り巻くニュースの深層を掘り下げて独自取材。『週刊ダイヤモンド』の機動力を活かした的確でホットな情報が満載。

「inside」

⇒バックナンバー一覧