スポーツの「最も遅い達成」記録から学べること日ハムの中島卓也内野手が7月30日、福岡ヤフオクドームでちょっと珍しい記録を達成した

 7月30日、北海道日本ハムの中島卓也内野手が、ちょっと珍しい記録を達成した。プロ野球選手として最も遅い(打つまでに多くの打席を要した)初本塁打を打ったのだ。

 6回表、先頭打者として打席に入った中島は福岡ソフトバンク・武田翔太投手の内角ストレートをジャストミート。すると打球はグングン伸びてライトスタンドへ。これはプロ入り9年目にして初めて打った本塁打だった。ここまでに要した2287打席はプロ野球史上最も多かったことから珍記録として話題になったのだ。

日ハム中島が最遅初本塁打記録
2287打席目での初のホームラン

 ちなみに、これまでの最遅初本塁打記録保持者は福岡ダイエーなどでプレーした村松有人外野手(現ソフトバンクコーチ)の1566打席目だから、中島はこれを大幅に塗り替えたことになる。また、プロ入り後、本塁打ゼロの打席数最多記録を更新中の選手に千葉ロッテの岡田幸文外野手がいる(8月7日現在、2483打席)。岡田が本塁打を打った時点で、中島の記録は消えるわけだが、岡田が今後、打てるとは限らない。

 プロ野球には並外れた技術やパワーの持ち主が入ってくる。そうした選手たちだから、1軍でプレーする機会が多くなれば本塁打は出るものだ。初打席で本塁打を打った選手はこれまで60人もいる。つまり中島のような選手はかえって珍しいのだ。

 中島は身長176センチ、73キロ。俊敏で安定した守備が評価され、2008年、福岡工業からドラフト5位で日本ハムに入団した。

 プロには、小柄であっても学生時代はチームの主砲として本塁打を量産してきた選手が数多くいる。だが、中島は学生時代も1番か2番を打つことが多く、コンパクトな打撃でチャンスメイクに徹してきた。そんなこともあってフェンス越えの本塁打を打った経験は一度もなかったらしい。