米国債をすすめる3つの理由

 なぜ、米国債かというと、主に3つの理由があります。

理由1 日本の財政・年金破綻への防衛策になる

 日本企業で働き、日本円で給与をもらい、日本円で貯蓄や投資をしていては、日本という国のリスク(財政破綻や年金崩壊、経済縮小、自然災害など)をまるかぶりすることになります。

 せめて、運用は日本円からスッパリと切り離し、リスクの少ないやり方でお金を海外へ避難させるべきです。

理由2 確定利回りでストレス・フリー

 お金を海外へ避難させるというと、外貨預金や外国株投資、外国証券に投資する投資信託などが真っ先に思い浮かぶと思います。

 でも、外貨預金以外は確定利回りじゃありませんよね。運用がうまくいけば値上がり益を得られますが、失敗すれば元本割れです。

 一方、米国債をはじめとする債券は確定利回りで、購入時に金利が決まり、それがずっと続きます。外貨預金も同様ですが、一般に預金の利回りは短期金利に近く、米ドル預金と私がお勧めする米国債(長期)では金利に大きな差がでます。

 リスクを取る取らないは個人の自由ですから私は否定するものではありません。でも私なら、いったん買ったらほったらかしにできる、ストレス・フリーの投資の方を選びます。

理由3 安心・低リスク

 債券は発行体が破綻しない限り、決まった金利を受け取れます。国債、公社債(自治体などが発行するもの)、社債のうち、もっとも破綻リスクが低いのが国債です。プロが国債の金利のことを「リスクフリー金利」と呼ぶのもこれに由来します。

 米国債の発行体はアメリカ合衆国ですからアメリカが破綻しない限り安心していられるのですが、さて、アメリカが破綻するなど起こりうるでしょうか。詳しくはのちほどお話しますが、少なくとも日本より先にアメリカが破綻することはないと私は考えています。

 つまり、米国債への投資は、

 ① 日本円に資産が隔たっていることへのヘッジ(回避策)になり、

 ② 一度購入すれば満期まで放っておいても決まった金利を得られ、

 ③ デフォルトリスクが極めて少ない、

 という利点があるのです。

 たとえば、37歳のビジネスパーソンが満期まで28年の米国債を買えば、65歳の時には金利込みでまとまった額を手にすることができます。その頃は退職金という制度もなくなっているかもしれませんが、ちょっとした自前退職金のできあがりです。

 こうしたおすすめの投資方法についてはこの連載の5回目で紹介しますのでお楽しみに。