「とはいえ被害に遭ったこともAVに出演していたことも、私の中ではもう整理がついてるんです。一方で被害に遭って、今まさにどうしていいかわからなかったり、なぜレイプ被害者がわざわざAV業界に入ったかがわからない人もいると思います。そういう人にこそ私の本を読んでもらいたくて。また『薄着で暗い中歩いていたから、襲われたのだろう』のように、被害者に落ち度があるような物言いをする人もいますが、地味な服装の15歳が、真っ昼間に被害に遭ったことを知れば、被害者に落ち度がないこともわかると思います」

厳罰化が性犯罪被害者を減らすカギに

 性犯罪被害者を減らすためには何が必要だと思うか。そう聞くと、大塚さんは「より厳しい罰を加害者に与えることではないか」と答えた。加害者を罰したところで、被害者の傷は軽くはならない。しかし性犯罪はとても重い罪だという認識を共有することが、加害の抑止に一役買うと信じているからだ。

「少し前に医師や学生による集団レイプ事件がありましたが、まさに集団心理が働いてしまったのかなと思うんですよね。罪を重くすれば集団心理が働くどころか、止める人も出てくるのではないかと思います」

「それにしてもプラス2年って、なんの2年なんでしょうね? その根拠や内訳を知りたいです。そしてこの国の司法には、加害者の反省を考慮する『情状酌量』はあるのに、被害者の心を救済する目線はないのでしょうか。110年ぶりに改正されてもたったの2年増えただけなら、それ以上増やすには一体何百年かかるんでしょうね? ……刑法改正のニュースを見た時、納得がいかなくて1人でヤケ酒しちゃいましたよ」

 今回の刑法改正には、施行3年後に規定を見直すという付則がある。大塚さんのように、納得がいかないという声がどれだけ反映されるのかは、この3年にかかっている。

大塚咲(おおつか・さき)。1984年生まれ、東京出身。写真家・画家。 2004年よりAV女優として活動。2006年にはファッションブランドにイラストを提供。展覧会に参加。( METAL ADDICTION 2007秋冬展) 2011年より、写真を撮り始め、写真家としての活動を開始。 2012年にセルフポートレート写真集“密賣NUDE”がERECT Magazineか ら発売される。以後、週刊誌でグラビア連載、川上ゆう写真集『W(ウーマ ン)』の撮影をするなど精力的に活動中。

(取材・執筆:玖保樹鈴)