朝、目覚めたときに寝不足感があったり、日中に眠気を感じたりするのであれば、無理にがんばって「朝活」する必要はありません。

「朝活」をしたのに、仕事を早く切り上げることができずに残業して、寝る時間が遅くなってしまうと、必要な睡眠時間を確保できなくなってしまうので、あまりおすすめできません。

 もちろん早起きが苦痛でない人が「朝活」をするのはいいのです。「夜型」の人が無理に早起きにこだわる必要はなく、その人に合った生活のサイクルを大事にしたほうがいいということです。

 朝、時間に余裕のある人は「朝活」を大いに楽しめばいいし、もう少し寝ていたいという人はそれでいいと思います。

 朝型生活と夜型生活のどちらがいいかは、白黒はっきり決められることではありません。起きる時間を一定にし、そこから必要な睡眠時間を逆算して眠る時間を決めて、規則正しい生活を送ることが基本です。

都会の誘惑が
「夜型生活」を増やしている

 体の維持やメンテナンスにおいて重要な役割を果たすホルモンは、夜に分泌されるものもあります。人間は本来、暗い時間帯は眠るのが自然な姿なのです。

 理想は朝日とともに目覚めて、日が暮れたら寝るという生活ですが、24時間休まず人が動いている都会では難しいでしょう。

 夜になっても昼間と見まがうような明るいところがたくさんありますし、夜に働く仕事もたくさんあります。こうした環境も夜型生活を増やしている一因になっていると思います。

 私が診察したある患者さんは、東京で仕事をしているときには「なかなか眠れない、朝もすっきり起きられない」とおっしゃっていたのに、地方に転勤したら突然眠れるようになりました。

 田舎は夜になると店も閉まってしまうし、ネオンサインもあまりなく、真っ暗になるところが多いです。

 この患者さんは、仕事帰りに遊びに行くところがないため、早寝の習慣が自然と身につき、睡眠時間を十分取れるようになったのでしょう。

 睡眠のリズムは生活環境によって変わります。これから、日本の働き方が「仕事は明るいうちに終わらせよう」という方向に進めば、自然と朝型生活の人が増えるのではないでしょうか。