どうやら、サムスンが数年前の小米(シャオミ)ショックで生産量が減ったときに、余剰の有機ELパネルを安価にオファーしたので、価格が安いからサムスンの有機ELを使ったというあたりが正解のようだ。そもそも有機ELパネルに画質面での圧倒的な優位性があるならば、パネル混在などしないであろう。

 ところで、有機ELにはその他に四隅の額縁部分が少なく、フレキシブルな形状をつくれるというメリットがある。アップルが有機ELを採用する一番の理由は、どうやらここにあるようだ。フレキシブルというのは曲げられるということで、サムスンのgalaxyシリーズで採用している、サイドが曲げてあるような曲面ディスプレイである。これは、自由に折り曲げできるということではない。曲げた状態で固定するという意味だ。将来的に曲げ伸ばし可能な有機ELが実現しそうであるが、パタンと360度閉じられるような曲げ方は不可能で、ロールケーキのように巻く程度にしかならなそうだ。

 また、液晶画面の四隅を直線的な長方形の画面にするのではなく、自在な形状にするのも有機ELでできることだ。サムスンのgalaxy S8の四隅のカーブや、有機ELのiPhoneでも採用されるという。

ガラスに比べてフィルム基板は
生産性・コストの両面で課題あり

 ただし、これらの形状が自在な有機ELパネルは、OPPOなどに提供している安価な有機ELパネルとは異なる。従来の有機ELパネルはガラスベースの基板が用いられているが、フレキシブルな形状の有機ELは新しいフィルムベースの基板である。両者は生産ラインにも違いがあり、ガラス基板のパネルについては長年galaxyシリーズ用にパネルを生産してきて減価償却が済んだラインであるため、生産も潤沢であり他社へ安価に提供できるのだろう。

 フィルム基板の有機ELパネルは、サムスン電子のパネル製造技術の高さを示すものではあるが、新たな挑戦でもあり、従来型のパネルに比べて生産性・コストの両面で問題が残っている。今年発売されるiPhoneのうち、有機ELモデルだけ発売が遅れそうだというニュースが流れているが、もしこれが本当だとすると、パネルの生産がネックになっているのかもしれない。また、価格が10万円を超えるのも、パネル価格の上昇によるものだという見方ができる。