えっ、「やらないこと」を決める?

 共通の目標を決めて、さあ、そこへ向かっていこう、としたとき。再び、バラバラになっていく危機がやってきます。同じ目標を持っていても、そこへどう向かっていくか、その道筋はいくつもあるからです。頭ごなしに「こっちだ」とやっていけばいいとも限りません。

 そこで、メンバーがまとまり、結束力が高まっていく道筋の決め方として、第2の柱【やらないこと】を決めておくのです。

「やることを決めればいいのでは?」と思われるかも知れません。

 しかし、むしろやらないことを決めることで、「チームでもっとも優先してやることは、これだ」とハッキリさせることができるのです。チームが何を優先するかを決める前提が明確になります。

 たとえば「毎週水曜日は残業しない」と決める。いわゆる「ノー残業デー」です。しかし、「ノー残業デーで何が変わったの?」と疑問に思う人もいるでしょう。

 しかし、これだけで結束力が高まるわけではないのです。「やらないこと」を、きちんと「共通の目標」にリンクさせてください。「共通の目標」を、「節電」としたとき、「ノー残業デー」は確実に成果を上げ、結束力へとつながります。

「残業してはいけない」となると、みんな不便さ、不自由さを感じるはずです。こうした困った事態になったとき、創意工夫が生まれます。これがチームの力になっていくのです。

「やらないこと」を決めるのは苦手な人が多いのですが、逃げてはいけません。「共通の目標」を達成するために、不可欠な要素です。それはチームの戦略となり、結束力の高まりにスピードを上げる効果につながるのです。

 いまはまだ、共通の目標しか持っていないチームが、「やらないことってなんだろう」と考えているうちに、少しずつ、これまでにない成長をしていきます。

「やらないこと」は、筋を通して決めることが大切です。バラバラなチーム状態なら、いきなり全員をこの議論に巻き込む必要はありません。「まとまろう」という意識の強い人たちだけで議論をし、「やらないこと」のたたき台をつくります。それを全員で議論して決定すればいいのです。