その職場ならではの進み方を考えよう

 第1の柱である【共通の目標】、第2の柱【やらないこと】を決め、いよいよチームとしての行動がスタートします。

 この進む道は、チームの結束力が高まっていく道でもあり、同時に、いくつも再びバラバラになっていく危機に直面する道にもなります。あなたが、自分たちにあった道を選択して、自分たちならではの進み方を考えていくことが、チームの力になっていきます。

 そのときに、結束力を高めていくために注意しておきたいことがいくつかあります。

 まず、一人でやらないこと。これは結束力の基本です。リーダーも例外ではありません。バラバラな現状からなんとかしようと孤軍奮闘するのではなく、チーム内で一人でもいいので、パートナーを見つけて、一緒にやることです。一緒にやる仲間をつくっていかなければ、チームの殻を破るような結果は出せません。

 この連載の『第3回 チームの「くせ者」に気をつけろ』で示した、ゾーンⅡの「お友だち」の人が最初は仲間になることが多いでしょう。

 進むべき道筋は、メンバーそれぞれに持論があると思います。どのルートがいいのか、どこで誰と話をして決めるか、そうした打ち手の一つひとつを、仲間と話し合い、チームで考えていく習慣をつくりましょう。

 メンバーとともに進め方を決めていくことで、より多くの優れた判断をチームで見つけることが可能になります。一人で悩む時間をできるだけ少なくすること。大勢の判断をテーブルにのせて、そこから最善の道を選ぶことです。

「みんなで議論しても決まらない」と恐れる人もいます。ですが、全員でそこまで徹底して話し合ったことはあるのでしょうか? 多くの判断が出てくると、一つにまとめるのは難しく見えます。ですが、議論していくうちに、いくつかの最善と思えるものに集約されていきます。

 すべての判断が出尽くしたとき、全員が「これだ!」と納得する道が見つかります。もしそれが複数あって決められないときは、リーダーが最終的に決めてください。このときのリーダーの最終決断で、チームの結束力は高まります。

 次回は、大切な信頼関係についてお話しいたします。

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やらないことを決める――その理由とは?

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