[10日 ロイター] - <為替> ドルが対円で8週間ぶり安値を更新。米国・北朝鮮間の緊張が高まる中、安全資産とみなされる通貨を求める動きが強まった。

終盤の取引で、ドル/円<JPY=>は0.77%安の109.21円。円は大半の主要通貨に対し全面高となった。

米朝間のレトリックの応酬はエスカレートしており、北朝鮮国営の朝鮮中央通信(KCNA)はこの日、北朝鮮が中距離弾道ミサイル4発を米領グアムに向けて発射する計画を8月中旬までに策定すると伝えた。トランプ米大統領はこれに対し、北朝鮮に対する「炎と怒りに直面する」との警告は「十分に強硬でなかった」可能性があると語った。さらに、北朝鮮が米国もしくは同盟国に対する攻撃を考えることがあれば、北朝鮮は「緊張極まりないだろう」と発言した。

NY外為市場:[USD/J]

<債券> 長期国債の利回りが6週間ぶりの低水準をつけた。北朝鮮との緊張が続き相場を圧迫したほか、国内指標が弱い内容で12月の利上げ観測が後退した。30年債入札がおおむね底堅い結果となったことも、長期債需要を後押しした。

終盤の取引で10年債利回り<US10YT=RR>が2.208%と、前日終盤の2.242%から低下した。30年債利回り<US30YT=RR>は2.783%で、前日の2.818%から低下、一時2.781%まで下がる場面もあった。

米労働省がこの日発表した7月の卸売物価指数(PPI、最終需要向け財・サービス)は前月比0.1%下落、11カ月ぶりの大幅な落ち込みを記録した。また、5日までの週の新規失業保険申請件数(季節調整済み)は前週比3000件増の24万4000件と、市場予想を上回った。

指標を受け、金利先物相場が織り込む12月の利上げ確率は42%と、1カ月前の約60%から低下した。150億ドルの30年債入札が底堅い需要を集め、最高落札利回りは2.818%で昨年10月以来の低水準を記録した。

米金融・債券市場:[US/BJ]

<株式> 大幅安。S&P500は値下がり幅が1.4%と約3カ月ぶりの大幅な下げとなったほか、ナスダック指数も2%を超える落ち込みとなった。米朝間の緊張激化に伴い、ハイテク株中心にリスク資産を売る動きが広がった。

S&P情報技術(IT)株指数<.SPLRCT>の下げがきつく2.2%安。同指数は今年のS&Pの主要なけん引役で、下げやすい状況にあった。一方、ディフェンシブの公益株指数<.SPLRCU>は0.25%高とS&Pのなかで唯一の値上がり業種となった。

株式投資家の不安心理の度合いを示すシカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティー・インデックス(VIX指数)<.VIX>は16.04ドルと、昨年の大統領選以来の高水準で引けた。個別銘柄では百貨店のメーシーズ<M.N>が10.2%安、コールズ<KSS.N>が約6%安。第2・四半期決算は既存店売上高が予想ほど落ち込まなかったものの、なおマイナスにとどまったことで、売り上げの押し上げに向けた取り組みが遅れているとの懸念が広がった。

米国株式市場:[.NJP]

<金先物> 地政学的リスクへの警戒感やさえない米経済指標などを背景に、安全資産とされる金が買われ、続伸した。中心限月12月限の清算値は前日比10.80ドル(0.84%)高の1オンス=1290.10ドルと、中心限月ベースでは6月7日(1293.20ドル)以来約2カ月ぶりの高値となった。北朝鮮はグアム島周辺に向け、中距離弾道ミサイルを発射する計画を公表。地政学的リスクが高まっている中、「資金の逃避先」として金がこの日も買われた。米統計がさえない内容だったことも、安全資産とされる金の相場を支える要因となった。

NY貴金属:[GOL/XJ]

<米原油先物> 根強い供給過剰懸念を背景とした利益確定の売りなどに押され、あと反落。米国産標準油種WTIの中心限月9月物の清算値は前日比0.97ドル安の1バレル=48. 59ドルだった。前日に発表された米エネルギー情報局(EIA)の週間在庫統計では、原油在庫が前週比650万バレル減と、減少幅は市場予想(ロイター通信調べ)の270万バレル減を大 幅に上回った。これを受けて、需給の不均衡に対する懸念が後退したことから、朝方は堅調に推移。ただ、石油輸出国機構(OPEC)が発表した7月の産油量が0.5%の増産となったことでOPECの減産合意の効果に懐疑的な見方をする向きは少なくなく、原油は午後にかけてマイナス圏に転じた。心理的な節目となる50ドル台を保てず、利益確定の売りも出やすかった。

NYMEXエネルギー:[CR/USJ]