この動きを後押しするのが、インターネットです。これが10年前、20年前なら、手抜き工事の実態が明るみに出ることもなかったかもしれません。当局があらゆる情報を統制し、都合の悪い情報はもみ消されてしまうからです。しかし、いまはインターネットがあります。約5億人に達した中国のインターネットユーザーは、中国世論を動かす原動力となっています。特に、中国版ツイッターの「新浪微博」が登場してからは、誰もがジャーナリスティックな観点から情報を発信し、自らの意見を述べ、熱い議論を交わしています。その普及スピードはすさまじく、たとえば僕のような日本人でさえ、すでにフォロワー数が77万人を超えているのです。

 今回の高速鉄道事故は、まさに当局の「トップダウン型統治」と民衆の「ボトムアップ型世論」が正面からぶつかり合い、結果的に当局側が歩み寄ることになった象徴的な出来事でした。

 いま、中国は大きく変わろうとしています。そして多くの日本人は、いまだ中国の変化に気づこうとせず、さまざまな先入観から抜け出せないまま、中国という国を見誤っています。

 この夏、僕は日本で初めての書き下ろしとなる『われ日本海の橋とならん』という本を上梓しました。2003年に単身北京大学に留学して以降、僕がこの目で見てきた中国の「いま」を伝え、自らが日中間の架け橋となることを願って書いた渾身の一冊です。この出版を記念して、9月6日(火)に新宿紀伊國屋ホールにて刊行記念講演会を行うことになりました。

 中国は本当に恐ろしい国なのか? 日中関係に特効薬はあるのか? 中国人と仲良くなるにはどうすればいいのか? 世界の中で日本が進むべき道とは? ……熱い議論をお約束します。みなさまのご参加、心からお待ちしております。

 

【ダイヤモンド社からのお知らせ】
第187回新宿セミナー@Kinokuniya

『われ日本海の橋とならん』(ダイヤモンド社)刊行記念
  加藤嘉一 講演会
「内から見た中国、外から見た日本ー―そして世界」

「中国でもっとも有名な日本人」加藤嘉一氏の著書刊行記念講演。いまもっとも熱く、激しく、人々のエネルギーがぶつかり合う国ですごした加藤氏から、内部に踏み込んだものしかわからない中国について語っていただきます。中国人とのつきあいかた、中国の政治のしくみ、ビジネスのやりかた、中国人の生活。そして、そこから見えてくる、世界の中で日本はどうやってサバイバルしていけばいいのかについても伺います。

終演後にサイン会開催。当日会場にて、『われ日本海の橋とならん』をお買上のお客様、先着100名様に整理券を配布します。

加藤嘉一(かとう・よしかず)
1984年静岡県生まれ。英フィナンシャルタイムズ中国語版コラムニスト、北京大学研究員、慶応義塾大学SFC研究所上席所員、香港フェニックステレビコメンテーター。2003年高校卒業後単身で北京大学留学。同大学国際関係学院大学院修士課程修了。年間300本以上の取材を受け、200本のコラムを執筆し、100回の講義をこなす。自身のブログは2008年3月開設後、3ヵ月で500万、半年で1000万、現在5700万アクセスを突破。中国版ツイッター「新浪微博」のフォロワー数は約80万人。中国で多数の著書を出版する一方、日本では最新刊『われ日本海の橋とならん』(ダイヤモンド社)などを出版。2010年、中国の発展に貢献した人物に贈られる「時代騎士賞」を受賞。

日時: 2011年9月6日(火)19:00開演(18:30開場)
会場: 新宿・紀伊國屋ホール(紀伊國屋書店新宿本店4F)
料金: 1000円(全席指定・税込)
前売: キノチケットカウンター(紀伊國屋書店新宿本店5階 受付時間10:00~18:30)
電話予約: 紀伊國屋ホール 03-3354-0141(受付時間10:00~18:30)
主催: 紀伊國屋書店
協力: ダイヤモンド社
《8月17日(水)より、チケット発売・電話予約受付開始》

 

【書籍のご案内】
われ日本海の橋とならん
内から見た中国、外から見た日本――そして世界

中国鉄道事故は氷山の一角でしかない。<br />急速な経済成長の裏にあるさまざまな危険<br />――激動する中国の今を加藤嘉一が読み解く。

友よ、国を開き、心を開け。
中国でもっとも有名な日本人、加藤嘉一氏の最新作。中国で疾走する日本の若者としての考え方や中国の内部に踏み込んだものしかわからない中国人とのつきあいかた、中国の政治のしくみ、ビジネスのやりかた、中国人の生活を解説します。そして、そこから見えて来るのは世界のなかの日本なのです。

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