[14日 ロイター] - <為替> ニューヨーク外為市場では、ドルが上昇。米朝関係の緊迫化などを受けて前週末に市場参加者が売り持ちにしたドルを、いったん買い戻す動きが広がった。週明けにかけて、トランプ米大統領と北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長の双方からさらに強硬な内容の発言が出てこなかったため、安全通貨とされる円やスイスフランからドルに資金が回帰した。

終盤の主要6通貨に対するドル指数<.DXY>は0.4%高。ドル/円<JPY=>は0.5%高の109.67円、ドル/スイスフラン<CHF=>も1.1%上がった。

TDセキュリティーズのFX戦略北米責任者マーク・マコーミック氏は「ポジションが一方向に大きく傾いていたので、市場が逆に動き始めた。円とスイスフランの強気ポジションが若干巻き戻された」と指摘。ドルの地合いが相当悪化していることから、ほんのちょっと予想より明るい材料があればすぐにドルに資金が向かう状況だと付け加えた。

米商品先物取引委員会(CFTC)が11日公表したポジション動向によると、足元の投機筋のドル売り持ち規模は2013年1月以来の大きさだった。

ニューヨーク連銀のダドリー総裁が14日、連邦準備理事会(FRB)が9月にバランスシート縮小を開始するとの見通しは不合理ではなく、経済指標が持ちこたえれば年内あと1回の利上げがある、との見方を示すと、ドル指数は日中高値まで買い進まれた。

<債券> 米金融・債券市場では国債価格が下落、利回りは上昇した。米朝間の緊張に緩和の兆しが見受けられるなか、リスク選好の持ち直しに伴い、米国債など安全とみられる資産を売る動きが広がった。

またダドリー米ニューヨーク連銀総裁がAPとのインタビューで、経済が自身の予想通りに進展するなら「年内のあと1回の利上げ実施を支持する」と発言したことも利回りの上昇につながった。市場では「ダドリー総裁が年内あと1回の利上げ支持を強固に示した」(RJオブライアンのアナリスト)と受け止められた。CMEグループのFEDウオッチによると、金利先物が織り込む12月の利上げ確率は前週末の36%からこの日、42%に上昇した。

北朝鮮情勢を巡っては、韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領がこの日、北朝鮮の核問題は平和的に解決する必要があると表明したほか、マクマスター大統領補佐官(国家安全保障担当)も13日、1週間前と比べ戦争が始まる危険性が高まったとは思わないと述べ、軍事衝突の可能性について否定的な考えを示した。

これを受け市場ではリスク選好が持ち直し、株式相場はS&P500、ナスダック指数がともに1%を超える値上がりとなった。ただ米朝の緊張がいつ再燃しないとも限らず、市場の警戒感は根強いという。

この日は主要な経済指標の発表がなく、全般的に薄商いだった。

<株式> 米国株式市場は主要株価指数が続伸して取引を終えた。米国と北朝鮮の関係緊迫化を巡る懸念が和らいだのに伴い、S&P総合500種は4月以降で最大の上げとなった。

業種別ではハイテク株が買われ、S&P情報技術株指数<.SPLRCT>は1.6%上昇。アップル<AAPL.O>は1.5%値上がりした。

複数の米当局者は13日、北朝鮮との戦争に近く突入する可能性を重大なリスクとしては強調しなかった。

市場の不安心理を示す指標とされるCBOEボラティリティー指数(VIX)<.VIX>は3ポイント余り低下。安全資産とされる金は値下がりした。

BB&Tウェルス・マネジメントのシニア・バイス・プレジデント、バッキー・ヘルウィグ氏は「北朝鮮情勢は注目すべき要因ではあるが、当面の影響は恐らく市場に既に織り込まれていると思う」と語り、市場には「押し目買いの機会を探っている資金が待機している」と付け加えた。

<金先物> ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金塊先物相場は、利益確定の売りなどに押され、4営業日ぶりに反落した。

前週末の清算値が約2カ月ぶりの高値水準を付けた反動からこの日は利益確定の売りや持ち高調整の売りが出やすかった。

北朝鮮問題をめぐり、週末にティラーソン国務長官とマティス国防長官が外交的な解決を目指す姿勢を強調したほか、中央情報局(CIA)のポンペオ長官、マクマスター大統領補佐官(国家安全保障担当)も差し迫った危機を否定したことから、地政学的リスクへの警戒感が若干後退し、安全資産とされる金には下押し圧力がかかった。

<米原油先物> ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物相場は、中国の需要鈍化懸念やドル高に伴う割高感などから売りが優勢となり、反落した。

ロイターによると、中国国家統計局が14日発表した7月の製油所原油処理量は4550万トン。日量では前月比50万バレル減の1071万バレルと、2016年9月以来10カ月ぶりの低水準となった。これを受けてエネルギー消費大国の需要鈍化への不安 が台頭したため、売りが先行した。