[上海 14日 ロイター] - 米国と中国は貿易摩擦が激化しかねず、政治的な関係は雲行きが怪しい。だが米企業にとって、今年は中国市場が着実な収益源となっているのが現実だ。

米主要企業の第2・四半期決算は、建設機械から半導体、コーヒーに至る幅広い業種で、中国事業の好調が全体の利益と売上高を押し上げる構図が見られた。

追い風になったのは、約7%と米国の数倍も高い中国の経済成長率と住宅ブーム、ドル安など。習近平国家主席が進める現代版シルクロード経済圏構想「一帯一路」に伴うインフラ整備計画も米企業の売上高増加につながった。

建設機器大手キャタピラー<CAT.N>は、中国市場の好調がけん引する形で第2・四半期のアジア・太平洋地域の売上高が前年同期比25%増加。上半期の中国顧客向け掘削用大型機械の出荷は2倍以上に増えた。キャタピラーのブラッド・ハルバーソン最高財務責任者(CFO)は投資家向け説明会で「中国の需要は年内いっぱい強さを維持すると見込んでいる」と述べた。

半導体のスカイワーク・ソリューションズ<SWKS.O>の四半期決算は、中国のスマホメーカーである華為技術(ファーウェイ)向けの需要などが支えとなり、20%の増収。ゴールドマン・サックスによると、スカイワークは中国の売上高比率が85%程度に達している。

通信用半導体大手クアルコム<QCOM.O>も先月、中国市場は引き続き同社にとってしっかりした成長が期待できるとの見通しを示した。クアルコムは売上高の3分2程度を中国市場が占める。

ルースホールド・グループの最高投資責任者(CIO)のジム・ポールソン氏は「この間の中国の成長率は米国に比べてとても高く、為替相場も米企業に有利な方向に振れた」と話す。

中国で事業を展開する米企業は、市場へのアクセスを十分に認められていないことや地元企業との不当な差別的待遇に不満を漏らす。それでも総じて中国事業に対する見通しは明るい。米中両国の関係にきしみが出てきている中でも、在上海米商工会議所が7月に公表したリポートによると、今年の売上高が増加すると予想した中国に拠点を置く米企業割合は82%で、1年前の76%を上回った。

バンク・オブ・アメリカ傘下のUSトラストのテーマ別投資責任者ジョー・クインラン氏は「全般的に多くの米国の財・サービスにとって中国は依然として成長市場であり、中国の消費者が国内市場をどんどん拡大させている」と語り、これらの消費者に製品やサービスを提供する米企業にとっては非常にプラスとなる動きだとの見方を示した。

もっとも、好調な中国市場の恩恵を受けているのは米企業ばかりではない。キャタピラーと競合するコマツ<6301.T>と日立建機<6305.T>の決算からも重機の需要の強さが読み取れる。コマツの4─6月期の中国での売上高はほぼ倍増した。

一方、中国市場においてもいくつかのセクターでは外国企業が苦戦を続けている。大手自動車メーカーの決算によると中国市場で売上高は伸びたが、利幅は圧縮された。ゼネラル・モーターズ(GM)<GM.N>は四半期決算で、業績は好調だったものの価格面で課題に直面していると説明した。

また一部専門家からは、中国の経済や市場の活況がいつまで続くか不安視する声も聞かれる。ノムラ(香港)のチーフ中国ストラテジスト、ヤン・ツァオ氏は「中国経済は不動産市場と輸出の伸びが力強い回復の原動力となっているが、いずれも持続性が乏しい」と指摘。中国の経済成長は第4・四半期に鈍るとみている。

(Adam Jourdan記者)