[シドニー 15日 ロイター] - オーストラリア準備銀行(中央銀行、RBA)は15日、8月の理事会の議事要旨を公表し、インフレ率上昇や雇用に関して前向きな見通しを示した。国内経済は数年間、「潜在成長率を上回る」成長を遂げる兆しがあると述べた。

ただ中銀は、過去最高の水準にある家計債務や豪ドル高が見通しに対するリスクとなっていると指摘した。

RBAは1日、市場予想通り、政策金利のオフィシャルキャッシュレートを過去最低の1.50%に据え置くと決定した。エコノミストの多くは現状維持がもう1年続く可能性があるとみている。

議事要旨は「理事会は住宅市場の状態と家計債務は引き続き注意深い監視が必要だと認識している」とし、金利据え置きにより「低インフレ環境下で、高水準の家計債務に絡むリスクのバランスを取る」必要があったと指摘した。

さらに、米ドルの幅広い下落に伴って7月末に2年ぶり高値に上昇した豪ドル<AUD=D4>に言及。通貨の一段の上昇は消費者物価を圧迫し、成長と雇用見通しを押し下げる可能性があると警告した。豪ドルはその後上げ幅を縮小し、最近3週間で1.4%下落した。

中銀は今後数年間、成長率が3%前後で推移し、インフレ率は緩やかに上昇すると予想した。

最近、労働市場でフルタイム就業者数の増加数がパートタイム就業者を上回っていることが中銀の楽観的な見方につながっている。企業信頼感や景況感指数が2008年以来の高水準となる中、企業利益は増加している。

RBAは、過去最低の1.90%にとどまっている賃金上昇率について、雇用が加速すれば上向くと見ている。ただ、家計債務は可処分所得の190%に膨らんでおり、早期利上げは検討していない。

豪不動産市場の投機的な動きにより、債務は拡大している。特に、シドニーやメルボルンでは住宅価格が2008年以降、ほぼ2倍になった。

議事要旨によるとRBAは「賃金伸び悩みと家計債務の増加により、消費の伸びが予想を下回る可能性がある」と指摘した。

当局は年初から住宅価格の上昇抑制策を実施し、現段階で価格上昇ペースが鈍化している兆候が出ている。RBAは、これらの方策の効果が出ていることを十分に確信していないという。

*内容を追加しました。