[フランクフルト 15日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)の2兆3000億ユーロ規模の資産購入プログラムは違法として一部の学術関係者や政治家が提訴していた訴訟で、ドイツ憲法裁判所は15日、違法な財政ファイナンスに当たる可能性があるとし、欧州司法裁判所(ECJ)に判断を付託した。

欧州司法裁ではすでに、ECBが債務危機時に創設した無制限の債券買い入れ策「OMT」について、合法との判断を示しており、原告側は厳しい法廷闘争を迫られる可能性がある。

また、欧州司法裁が最終的な判断を示すのは、資産購入プログラムの終了後か終了間近になるとみられる。

憲法裁は、OMTはECBの責務の範疇を超える可能性があると指摘。「ECBの資産買い入れプログラムを巡る決定は、財政ファイナンスの禁止に違反し、ECBの金融政策を巡る責務を超えており、これによりユーロ加盟国の能力が阻まれる可能性があることを示す根拠がある」とした。

憲法裁の今回の見解は、成長底上げに向けECBが導入した措置に対する大きな法的な課題となるものの、欧州司法裁はこれまでにOMTは合法との判断を示しているため、憲法裁の見解はおおむね好意的に受け止められている。ただECBが今後買い入れ延長などを決定する際に選択肢が狭まる可能性はある。

憲法裁の見解について、ECBは「拡大された資産買い入れプログラムはわれわれの見地からすると、完全に責務の範疇内にある」とする声明を発表。欧州司法裁に判断を委ねるとし、月額600億ユーロの資産買い入れは通常通り継続するとした。

今後の見通しについてJPモルガンのエコノミスト、グレッグ・フゼシ氏は、欧州司法裁が憲法裁の見解を支持する公算はゼロに等しいとの見方を示している。

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