新しい都市型災害といわれるゲリラ豪雨。ごく限られた場所に突如発生するため、予測困難なことが「ゲリラ」と呼ばれる由縁だとか。

 しかし、その最大の特徴は、短時間に降る猛烈な雨の量にある。1999年7月21日に練馬区を襲った「練馬豪雨」は、ゲリラ豪雨の典型とされる。1時間当たりの雨量は、何と131ミリを記録した。

予測できないゲリラ豪雨も
備えあれば憂いなし

 東京の猛暑を伝えるニュースには、練馬が頻繁に登場する。練馬は本当に暑いのか?

 昨2010年、都内(島部を除く)8ヵ所の気象観測所で、延べ122回の猛暑日が観測された。うち練馬が37回。2位の八王子を大きく引き離すダントツの1位だった。

 こんなデータもある。体温より暑い37.5℃以上の日が、2010年に都内で6回記録された。その全てが練馬。昨年だけではない。2001年~2010年の10年間に、都内で37.5℃以上を記録した延べ36回のうち、半数近い15回が練馬で観測されている。

 気象庁の気象観測所がある練馬は、東京西北部の代表であり、練馬区だけが特別に暑いわけではない。しかしそれにしても、やはり練馬の夏は暑い。

練馬区――ゲリラ豪雨に夏型犯罪、地震には強いが「猛暑リスク」にご注意?

 酷暑とゲリラ豪雨は、ともに都市のヒートアイランド現象を主要因とする、言わば兄弟の関係にある。2005年以降、今年の8月末までに、練馬区内で時間最大60ミリ以上の雨が降ったのは7回。平均すると年1回のペースだ。このうち6回が7~9月に集中している。

 1時間当たりの雨量が50~60ミリを超えると、マンホールから水が噴き出す恐れがある。それだけではない。下水の逆流は、トイレや浴室・洗濯機の排水口など、家の中からも起こり得る。