[ワシントン/ニューヨーク 16日 ロイター] - トランプ米大統領は16日、米企業首脳らで構成する2つの大統領助言組織を解散した。バージニア州シャーロッツビルで週末に発生した白人至上主義団体と反対派の衝突を巡るトランプ氏の発言を受け、メンバーの辞任が相次いでいた。

「製造業評議会」からはこの日、米複合企業スリーエム(3M)<MMM.N>のインゲ・チューリン最高経営責任者(CEO)とキャンベル・スープ<CPB.N>のデニス・モリソンCEOが辞任。合計で8人が辞任した。

2人の関係筋によると、もう一つの助言組織である「戦略・政策フォーラム」で議長を務めてきた米投資会社ブラックストーン・グループ<BX.N>のスティーブン・シュワルツCEOはトランプ氏の発言を受けてこの日、メンバーらによる電話会議を開催。参加者の大多数がフォーラムの解散を求めたという。

その後シュワルツCEOはトランプ氏に電話で解散の決定を伝え、これを受けてトランプ氏は2組織の廃止を発表した。

トランプ氏はツイッターで「製造業評議会と戦略・政策フォーラムのメンバーに圧力を掛けるよりも、むしろ解散させることを決定した」とつぶやいた。

戦略・政策フォーラムのメンバーであるJPモルガン・チェース<JPM.N>のジェイミー・ダイモンCEOは文書で、シャーロッツビルの衝突に対するトランプ氏の対応に強い異議を表明。

製造業評議会の議長を務めてきた化学会社ダウ・ケミカル<DOW.N>のアンドリュー・リベリスCEOは、「現在の環境下では生産的な話し合いをするのがもはや不可能になった」とホワイトハウスに伝えたと明かした。

週末に発生した白人至上主義団体と反対派の衝突で少なくとも1人が死亡したものの、トランプ大統領は当初、白人至上主義団体を明確に批判しなかった。さらに15日には、「双方に責任」があったと述べた。

トランプ氏の発言を巡っては、企業トップだけでなく、共和党上院トップのマコネル院内総務、ケーシック・オハイオ州知事、グラム上院議員、ブッシュ元大統領親子など、与党・共和党からも批判の声が上がった。大統領が掲げる主要政策の立法化には議会で過半数を握る共和党の支持が必要。

米株式市場では、大統領の政策実行力をめぐる懸念から主要株価指数は上げ幅を縮小してこの日の取引を終えた。

<政権幹部辞任の可能性>

トランプ政権の元高官は、今回の問題を受けて政権内で一部高官が辞任する可能性があると指摘。ウォール街では、ゲーリー・コーン国家経済会議(NEC)委員長やムニューシン財務長官などの政権幹部がイメージダウンを回避するため辞任する可能性があるとの観測が浮上した。

元高官はコーン氏について「名声を傷つけられることを気にしている。彼にとって名声を守ることは他の何よりも重要だからだ」と述べた。

マコネル院内総務は声明を発表し、米国は白人至上主義団体「クー・クラックス・クラン(KKK)」やネオナチ・グループなどによる「憎悪と偏見のメッセージ」を許すことはないと言明。ただ、トランプ大統領の名前は言及しなかった。

ティラーソン国務長官はカナダの外相との会談を前に、「憎悪と暴力」のメッセージが米社会で受け入れられることはないと強調した。

こうした反発は国内のみにとどまらず、メイ英首相も批判を表明。トランプ大統領のスタンスに関する記者団からの質問に対し、メイ首相は「ファシズムを唱える側とそれに反対する側が同等であるとは考えない。要職に就く人間は皆、極右的な見解を非難することが重要だ」と語った。

ドイツでも閣僚などから批判の声が上がった。

中南米歴訪中のペンス副大統領は訪問先のチリで「大統領と大統領の発言を支持する」と語った。副大統領は日程を短縮し帰国する見通し。

米軍幹部は通常政治に介入しないが、マーク・ミリー米陸軍参謀総長はツイッターで、トランプ氏の名前には触れず、「陸軍は下士官兵間の人種差別や過激思想、憎悪を容認しない」と表明した。

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