[16日 ロイター] - <為替> ニューヨーク外為市場では、ドルが下落。米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨で物価上昇力の弱さに対する政策担当者の懸念が強まったことが判明し、連邦準備理事会(FRB)が利上げを先送りする可能性が示唆されたため、ドル売りにつながった。

7月25─26日開催のFOMC議事要旨によると、ここ最近弱含んでいる一連の物価指標を巡りメンバーが長時間協議した。米国の物価上昇率はこれまで5年余りにわたり、FRBが目標とする2%を下回り続けている。

議事要旨公表後にドルは円やスイスフランなどに対して日中安値に沈んだ。終盤のドル/円<JPY=>は0.45%安の110.17円、ドル/スイスフラン<CHF=>は0.7%安の0.9659フラン、ユーロ/ドル<EUR=>は0.25%高の1.1763ドルだった。

ウェストパック・バンキング・コーポレーションのシニア通貨ストラテジスト、リチャード・フラヌロビッチ氏は、7月FOMCで物価上昇率が2%に届かない状態にとどまっていることに懸念を示したのは数人のメンバーだったが、今はその人数がもっと増えていると指摘。これは12月にFRBが利上げする公算がどちらかといえば小さくなることを意味していると説明した。

CMEグループのフェドウオッチに基づく年内の利上げ確率は42%で、わずかながら利下げの可能性も浮上してきた。

<債券> 米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨が景気への懸念を高める内容となったほか、トランプ大統領が助言組織2団体を解散したことを受け、米金融・債券市場で国債利回りが低下した。

ロイターのデータによると、10年債利回り<US10YT=RR>は2.227%と、前日終盤から4ベーシスポイント(bp)低下した。

30年債利回り<US30YT=RR>も2.811%と、前日終盤から3bp近く下がった。

7月25━26日開催のFOMC議事要旨は、インフレ軟化にメンバーが懸念を強めた様子がうかがえる内容となった。一部メンバーは、トレンドが一時的なものと明確になるまで、追加利上げを見送るべきと主張していた。

CMEグループのフェドウォッチによると、金利先物相場が織り込む12月会合での利上げ確率は45%と、前日終盤(48%)から低下した。

<株式> 米国株式市場は、主要株価指数が小幅高で取引を終えた。トランプ米大統領の政策を巡る懸念が強まる中、米連邦準備理事会(FRB)が公表した連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨では、当局者が低調なインフレを憂慮している状況が示された。

トランプ大統領は米経済界の首脳らで構成する大統領助言組織の「製造業評議会」と「戦略・政策フォーラム」を解散した。これを受けて主要株価指数は上げ幅を縮小。USバンク・プライベート・ウェルス・マネジメントの投資担当マネジングディレクター、デービッド・シーゴレイト氏は助言組織解散について「大統領の政策遂行能力に対する疑念を少し強めるものだ」と述べた。

FOMC議事要旨公表後は、相場は方向感を欠く展開となった。議事要旨によると、一部のメンバーは低インフレの傾向が一時的であることが明確になるまで追加利上げを見送るべきだと主張した。

BB&Tウェルス・マネジメントのシニア・バイス・プレジデント、バッキー・ヘルウィグ氏は「議事要旨への反応はまちまちだった。投資家は、インフレがFRBの目標に到達せず、FRBが引き締めを急ぎすぎているのではと心配している」と指摘。同時に、次の利上げが先送りされる可能性もあり、これは株価の支援材料になり得ると付け加えた。

セクター別では、S&P素材株指数.SPLRCMが0.9%上昇。銅など金属価格の上昇が追い風となった。

<金先物> ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金塊先物相場は、安値拾いの買いなどが入り、3営業日ぶりに反発した。

北朝鮮情勢への懸念がやや和らいだことに加え、外国為替市場でドル買い・ユーロ売りが進行したことなどを受けて、金は朝方まで軟調に推移。米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨の公表を午後に控え、内容を見極めたいとの見方から、午前中は様子見ムードが強かった。ただ、その後はショートカバーや安値拾いの買いなどが入りプラス圏に浮上した。

<米原油先物> ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物相場は、米産油量の増加を示す週報を受け、世界的な供給過剰への懸念が再燃し、3日続落した。

米エネルギー情報局(EIA)がこの日午前に発表した週報によると、11日までの1週間に米国内の原油在庫は890万バレル減少。減少幅は市場予想(320万バレル減=ロイター調べ)を大きく上回り、これで7週連続のマイナスとなった。

この発表を受け、市場はいったん買いで反応。しかし、取り崩しが見込まれていたガソリン在庫が前週から変わらず、ディスティレート(留出油)も予想に反して在庫を積み増した。さらに同週報では、米国内の産油量が7万9000バレル増の日量950万2000バレルに拡大したことも明らかになったため、相場はあと値を消す展開になった。

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