他者理解についても同様だ。他者は自分とは違う窓から世の中を見ているので、見える景色が違うのは当然だ。他者の好みの窓を理解すれば、それに合わせたコミュニケーションができるようになる。自己を理解し、他者を理解することで、人は違和感なく他者を受け入れられるようになる。そのための可視化ツールがLIFOなのだ。

独自知財であるLIFOを
オープン化し他社にも提供

 先に、LIFOは人の強みに焦点を当てると述べた。しかし、強みと弱みは表裏一体である。親切も過剰になればおせっかいだし、信念も度が過ぎれば頑固になる。強みを強みと認識して、適度に使うことが重要だ。それを示すのがLIFOの生産性曲線である。

 強みを使いすぎれば、パフォーマンスの低下を招くことになる。それに気づけば、強みの過剰使用行動を制御できる。逆に、せっかくの強みを使っていないと気づけば、その拡張が可能になる。さらに、相手のスタイルを知れば、効果的なコミュニケーションを実践できるだろう。

 自己診断ツールのなかには人間を型にはめて理解しようとするものも多いが、レッテル貼りの診断は人間の成長を制限してしまうのではないか。LIFOは「人間は自分の意志で変わることができる」ということを前提としている。そのため、個人が自己の強みを理解し、よりよい方向に成長できるようサポートする。ただし、LIFOは「人間性を変えよう」とするものではない。その人の役割に応じた行動スタイルへの変化を促進するものである。