A company using "LIFO" -case study-
自分を知り、相手を知ることで
店舗の人間関係を上手に構築する

株式会社ダスキン
ミスタードーナツ事業本部
MDカレッジ
学長
香田次郎

 1971年に1号店をオープンして40年を経過した現在、ミスタードーナツの店舗は国内で1300を超えている。その大半がFC店である。

「一人でも多くのお客様に、おいしいドーナツを喜んで食べていただきたい。くわえて、加盟店の事業の成長と働く人たちの人間的な成長が、私たちの事業目的です。そのために、トレーニングを充実させてきました」と語るのは、ダスキンが大阪・吹田市に設置したMDカレッジ学長の香田次郎氏である。

 同社はミスタードーナツの店舗運営資格を取得するための免許制度を設けている。各店舗に最低一人は、免許証を持った者がいなければならない。その有効期限は二年間で、毎年多くの人たちが免許証を更新するためにこのカレッジを訪れる。

「加盟店の店主を中心に、年間約750名が免許更新のための研修を受けています。この研修にLIFOを取り入れるようになったのは、約15年前。三日間の研修のなかに、LIFOは完全に組み込まれています」と同カレッジでトレーナーを務める保原大志氏。保原氏はダスキン社内に二名いるLIFOのライセンシーの一人である。さらに、同カレッジ研修室の大石あかね氏がこう説明する。

「今期の免許証更新コースのテーマはチームマネジメントです。コミュニケーションや人間関係をいかに構築するか、いかに働きがいのある職場をつくるか。そのためには自分を理解し、チームの仲間を理解することが非常に重要。LIFOは研修の土台として、他のさまざまな講義と密接に結びついています」

 それぞれの店舗にはアルバイトやパートの従業員が多く、しばしば人の入れ替わりが起こる。人間関係づくり、チームづくりは店主や現場のリーダーにとって最重要課題と言っても過言ではない。保原氏は「商品の品質向上を例に取っても、それを推進するためにはチーム全体の協力が欠かせません。店主たちが一人ひとりを教育するため、あるいはメンバーとの人間関係を上手に構築するために、LIFOは大きな役割を果たしています」と語る。

 保原氏が受講者と接して感じるのは、LIFOがもたらす安心感や納得感だという。

「『ミスタードーナツの店主はこうあるべき』と押しつけるのではなく、LIFOは『いまのスタイルでいいんですよ』というスタンスです。皆さん、そのあたりに安心されるようです」

LIFOを何度か活用すると、結果が変わってくることも。他者を理解して自分が変わったなど、新たな気づきを得られるという。写真はMDカレッジ研修室の大石あかね室長(左)と保原大志トレーナー (右)

 保原氏は研修の終盤で、「お店の中心メンバーを五人思い浮かべて、それぞれに対してどう接すればいいのかイメージしてください」という課題を出すという。受講者たちは自分のスタイルを念頭に置き、店のメンバーのスタイルをイメージしながらコミュニケーションの方法を考える。そして、多くの人たちが適切なアプローチを導き出す。このようなLIFOの理解しやすさが、研修を受ける人たちに納得感を与えているようだ。


「行動の変化をポジティブに促進する『LIFO』
自分の強みの理解がハイパフォーマンスを生む」

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