補聴器は両耳に
着けたほうがラク

 森合さんの場合、当初聞こえの悪い左側だけに着け、それも会議や打ち合わせなど重要な場面にだけ使っていた。

「最初着けた補聴器は、聞こえるんですが、なんでも音を拾っていたので、疲れてしまって1日2~3時間くらいしか使わなかった。それに片耳だけだと、反対側の音を拾いきれないときもあって、割と厄介なんです」

 現在は両耳の耳かけ型補聴器を、ほぼ1日じゅう使っている。

「隠す気は全然ないんですけど、目立たないもんでしょ?」と森合さん。着け心地もごく自然らしく「あまりになじんでいるせいか、うっかり洗顔したり入浴したりてしまい、大慌てすることがあるんです」と笑う。

「今5台目ですが、4台目のデジタル補聴器に替えてから聞こえ方が変わりましたね。自分の聞こえに合わせて周波数を調整できるし、雑音や騒音もカットする。聞きたい方向の音を集める機能もある。必要な音が楽に入ってくるから、疲れにくい。着けていることを忘れるときもあるほど。小さくなって目立たないし。すごい進化だと思いますね。あと着けるときは両耳じゃないと。最初は聞こえればいいと思ってたんですが、耳と頭の構造は違うんですね。両耳じゃないと自然な音にならない」

 補聴器の進化で、できることが増え、積極的になったという。

「テレビも片耳の頃は補聴器を着けず字幕で見てましたが、文字が真ん中に出るので、見づらいんです。今ははっきり聞こえるので字幕は必要ありません」

 中断していたゴルフも再開。

「両耳にフィットしているので、思い切りスウィングできるしなにより会話が弾むのが嬉しい」

 11年前からは保護司と町内会長を引き受けている。

「責任ある立場だからちゃんと聞こえないとまずい。特に保護司の場合、下を向いてぼそぼそしゃべる子が多いので、最初の頃は補聴器を使ってもよく聞こえなかった。でも今はちゃんと聞き取れる。もっと早くから着ければよかったと思います」

 その一方で、補聴器への抵抗感も理解する。

「私見ですが、補聴器は耳に慣れるまで時間がかかるので、最初はそんなに高価なものでなくていいと思います。まず補聴器の音を体験してから、自分に合った高性能のものにステップアップするといいと思いますね」