ASUSが展開するZenFoneには、いくつかの派生のモデルがある。スタンダードな「ZenFone」、Tango対応の「ZenFone AR」、セルフィー向けの「ZenFone Selfie」、大容量バッテリーの「ZenFone Max」などだ。今回レビューするのは、カメラ機能を強化した「ZenFone Zoom」の後継機、「ZenFone Zoom S」。ふたつのカメラを採用して、より撮影を楽しめる部分ばかりが強調されるが、バッテリー容量5000mAhとZenFone Maxの要素も取り入れている。

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ASUS ZenFone Zoom S。カラバリはホワイト。そのほか、ネイビーグレーもある

5.5型でビジュアルはスタンダードなZenFone

 外観から見ていくと、ZenFone Zoom Sは5.5型有機EL(1080×1920ドット)を採用しており、ここ最近のスマホシーンからすると標準的なサイズだ。また有機ELについても、すでにハイスペックモデル専用の部材というわけではなくなりつつある。形状はZenFone 3に近く、ほぼフルフラットで末端分が丸みを帯び、ディスプレーは2.5Dスタイルと、気にすべき特徴はない。なお、強化ガラスにはGorilla Glass5を採用している。

 背面を見ると、後述するダブルカメラがひときわ目立つ。指紋センサーが用意されているほか、USBはType-Cと一般的なインターフェースなので、ダブルレンズ以外は機種変更しても迷わず使えるだろう。

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本体正面。ホームキーなどにバックライトLEDはない
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本体背面。ダブルレンズとレーザーAF、LEDライト、指紋センサーがある
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本体頂部にはサブマイクのみ
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本体底部。スピーカー、USB Type-C、マイク、ヘッドフォン端子。ヘッドフォン端子は端にあるため、横画面時の保持がラクだ
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本体左側面。DSDS対応SIMカードスロットがある
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本体右側面には、電源ボタンとボリュームボタン

 スペックはSoCにミドルクラスの定番であるSnapdragon 625、メモリー4GB、内蔵ストレージ64GB、バッテリー容量5000mAhで、さらにZenFone Zoom Sから他の端末への給電にも対応しており、カメラ強化版ZenFone Maxといえる。DSDS(デュアルSIM、デュアルスタンバイ)にも対応しており、対応バンドは下記表の通り。SIMスロット2は、microSDXCカードと排他なのでmicroSDXCカードを使うならSIMカード2枚挿しはできない。なお、microSDXCカードの最大容量はカタログスペックにないが、64GBまでの認識を確認している。

ミドルクラスのSoCだが
動作に不満はなく良好

 前述のとおり、ミドルクラスのSoCであるSnapdragon 625は、ウェブブラウズやSNS、写真加工などの応答性は良好だ。ゲームについては、3Dグラフィックスを多用するアプリについては、非力と感じるシーンは多いが、そういったシビアな要求をするタイトルは限られているため、あまりゲームをしないのであれば、性能面での心配は不要。

 ホームアプリは、ASUS謹製のZenUIで、ZenFone 3と比べても大きな変更点は見られない。独自機能のGame Genieは非常に優秀。ゲーム画面の録画・配信用だが、ほとんどのアプリを登録可能であるため、ブラウザ画面やアプリの画面を録画・配信したい場合にも重宝する。録画中にレスポンスが悪くなることも、検証した範囲では遭遇しなかった。

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ホーム画面
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ステータスパネルは、ボタン大きめである
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設定画面も識別しやすくなっている
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ゲームマネージャー登録画面。スクリーンショットのようにゲーム以外のアプリも任意で登録可能だ
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Game GenieをCPU-Zで試してみたところ
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AnTuTu Benchmark v6.2.7の結果。3Dスコアは低いが、そのほかのスコアは良好

25mmと59mmのレンズを使い分けるスタイル

 ZenFone Zoomが光学ズーム搭載であったのに対して、ZenFone Zoom Sは、「iPhone 7 Plus」や「ZTE BLADE V8」と同じく、広角レンズと望遠レンズを切り換えられる仕様だ。イメージセンサーはともに1200万画素となっている。センサー自体はソニー製IMX362で、画素ピッチ1.4μmであるため、暗所にも比較的強い。ただ特定のシーンにおいては、ソフトウェア側のチューニングが上手くいっておらず、状況によって妙に決まった絵が撮れるが、苦手なところではとことん苦手といったクセがあるため、充実したマニュアルモードを楽しむくらいがいいかもしれない。

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カメラアプリのデフォルト
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撮影機能はひととおり揃っている。GIFアニメーションを作成できるのは地味に便利
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マニュアルモードの画面。部分的にオート設定にもできるため、こちらを重点的に使用してもいい。シャッターボタン横の○+AUTOボタンでレンズの切替が可能だ

※以下の写真は原寸大(3~5MB)で掲載しています。通信量にご注意ください。

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左が広角、右が望遠。望遠側は常時ISO高めになるため、ディティールが崩れがち。晴天下であればあまりに気にならないが、室内ではマニュアルモードを選んだほうが無難
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左が広角、右が望遠。スマホの画面で見るぶんには問題ナシ。青の出し方が独特なのもポイント
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広角側のほうが描写がシャープで、夜間の撮影にも向いている
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寄って望遠側を使用して背景をややぼかしてみたもの。ポートレートモードは後日配信とのことだ
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ご飯写真については、RGBセンサーのおかげで、状況問わずフラットな感じの絵になる。満足いかない場合は、調整機能から彩度の値を上げてみよう
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マニュアルでのシャッター速度を見たところ、32秒まで落とせたので、試してみた。光害の少ない場所であれば、ミニ三脚とセットで星空を狙ってみるのも面白いだろう

 インカメラについては、1300万画素となっており、ここ最近の自撮り需要対応である。またASUSのスマホではおなじみの美肌機能もちゃんと搭載されており、こちらはかなりこなれている感があった。

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高木つばさ先生の自撮り風景。肌色の取得が上手く、適度に白くしてくれる

【まとめ】ミドルクラスとしては価格がやや高いが
スペックなどのバランスは良し

 低価格帯のスマホよりもSoCやバッテリーが優れつつ、有機EL、ふたつのレンズを搭載と、2016年末から目立っている需要に思いっきり応じた形の端末だといえる。際立って性能の高い部分はないが、普段使いの範囲であれば、もたつきと遭遇することもなく、快適に使えるだろう。カメラについては上記しているように、望遠側はややクセがあるため、要練習。広角側についてはオートで十分に遊べるため、1台でステップアップできると考えてもいいだろう。