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発見!「職場力」向上プロジェクト

職場内のコミュニケーションを促進する
「差し入れ上司」こそ部下に慕われる近道!

宮崎智之 [フリーライター]
【第3回】 2011年9月8日
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 そこで「キットカット」にフロア間の橋渡し役を担ってもらうアイデアを採用。「弊社では、あみだくじを引いてもらい、ペアになった社員同士が「キットカット」に「いつも引っ張っていっていただいて、ありがとうございます」などのメッセージを書いて交換する取り組みをしています。人によって直接呼び出して渡したり、机に置いておいたりさまざまですが、社員同士の交流を深めることに役立っています」(担当者)

 同じ職場で働く者同士、他部署であっても連携して進めなければいけない仕事は多々ある。フロアが分かれているという理由で社員間のコミュニケーションが阻害されてしまうなら、会社としては重大な問題だ。とはいっても、会社から「交流せよ」とお達しがあっても、ほかの業務を一生懸命こなしている社員が「交流」を最優先に据えるとは考えにくい。「あみだくじを引いてチョコを渡す」という非日常的なイベントだからこそ、多忙のなかでも率先して楽しみながら行うことができるのだ。

 また、同社では社員同士で雑談しながらリフレッシュしてもらうため、コミュニケーションスペースにチョコや飴、せんべいなどを設置する取り組みも実施している。

 両社で導入している「キットカット」だが、もともと「きっと勝つ」に発音が似ているため、受験生のお守りとして支持され、受験生の家族や友人がキットカットに応援メッセージを書いて渡すなどコミュニケーションツールとなっていた経緯がある。同商品を発売しているネスレ日本(本社=兵庫県神戸市)に話を聞いてみると、「『Have a break (ハブ ア ブレイク)』をキャッチコピーにしていていることもあり、すでに職場内でもちょっとした気分転換に食べていただいているようです」とのこと。

 ネスレによると、自由にお菓子などを食べられる環境にある職場は8%程度で、55%の職場では自由に食べられないという調査結果もあるというが、今後、前出の両社のような会社が増えていく可能性はある。

 今回は「キットカット」を例に挙げたが、同商品以外でもお菓子を利用した「職場力向上作戦」は実践できる。まずはコミュニケーションうんぬんと難しいことを考えずに、頑張っている部下への励ましとして、「ちょくちょく、ご褒美作戦」を実行してみたらどうだろうか。もちろん、それだけで上司と部下の関係がすべて円滑にいくというわけではない。これまで当連載で分析したことなどを参考に、うまく組み合わせて試してもらいたい。

 「愛され上司」になるために“近道”はないが、できることがあるならば取り組んでみたいと思うハングリー精神も必要。「部下にここまで気を使わなければいけないのか」と憤る人もいるかもしれないが、当連載では部下に媚を売ることを推奨しているのではない。職場力を向上させ、業績を向上させるという視点から「愛され上司」を目指していただければ幸いだ。

 皆様のご健闘を、心からお祈りしたい。

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宮崎智之 [フリーライター]

フリーライター。1982年3月生まれ。地域紙記者を経て、編集プロダクション「プレスラボ」に勤務後、独立。男女問題や社会問題、インターネット、カルチャーなどについて執筆。
ツイッターは@miyazakid
 

 


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昔ながらの根性主義や、米国流の合理主義だけでは、マネジメントは成り立たない。いったい何が足りないのか…と日々悩む上司は多いでしょう。そこで、40代、50代の管理職読者に向けて、オフィスを舞台にしたエピソードを軸に、上司と部下のコミュニケーションを円滑に進めるコツを紹介。職場力向上の糸口を探っていきます。

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