米国で進むサービス業のIT化、賃金上昇率の伸び悩みに影響もSF映画さながらに無人化が進む米国のオーガニックサラダ店「eatsa」。3分足らずで筆者が注文した料理が棚に現れた Photo by Izuru Kato

 現在、筆者は米国にいるが、ITを用いた新サービスがますます普及しているように感じた。

 例えば、空港やターミナル駅では、タクシー乗り場とは別の場所で大勢の人がスマートフォンを片手に車を待っている。タクシー配車サービス「Uber(ウーバー)」などの利用者だ。

 注文や支払いをタブレットで行う飲食店も急速に増えている。ハンバーガーチェーン「ウェンディーズ」は、年末までに1000店舗でセルフ・オーダー・システムを導入し、省力化を進める。

 米ワシントンのホワイトハウス近くにあるオーガニックサラダ店「eatsa」は無人化がより徹底していて、SF映画に出てくる宇宙船内の食堂のような感じだ。

 注文する際は、まずタブレットを使ってクレジットカードを読み取らせる。半年前に米ニューヨークで利用したことがあったため、画面上に自分の名前と購入履歴が出てきた。カレー風味のサラダにチーズやアボカドをトッピングするように注文すると、3分足らずで棚に料理が現れた。厨房内のオートメーション(自動化)もかなり進んでいるらしい。レシートも電子メールですぐ送られてくる。

 ニューヨークに行くと、乗車した地下鉄の全車両が、ある外食デリバリーサービスの広告に占拠されていた。配達料無料で多数のレストランから料理を取り寄せることができるサービスだ。寿司であれば、マンハッタン内の87店舗から選ぶことができる。

 ニューヨークの小売業アナリストに聞いたところ、米国では最近、自宅に料理を配達させるニーズが非常に高まっているという。