8月21日、欧州中央銀行(ECB)は出口政策で、2013年にFRBが量的緩和縮小の意向を示して新興国市場が大混乱した「テーパータントラム」の事態を避けられそうだ。写真はユーロ硬貨。2015年6月撮影(2016年 ロイター/Dado Ruvic)

[ロンドン 21日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)の金融緩和によって新興国のユーロ建て債務の残高は過去最高に達しており、ECBが緩和縮小を慎重に進めるのは間違いない。ただ、新興国のユーロ建て債務はドル建てに比べれば規模が小さく、ECBは出口政策で米連邦準備理事会(FRB)の二の舞を避けられそうだ。

 ECBが月額600億ユーロの債券買い入れの縮小開始を目指そうとしていることは、FRBが量的緩和縮小の意向を示して新興国市場が大混乱した2013年の「テーパータントラム」を思い起こさせる。

 当時新興国では株式市場から3ヵ月間で約5000億ドルが流出し、国債利回りが平均1%ポイント上昇。一部の通貨は対ドルで20%も下落した。

 今回は、FRBの代わりにECBが舞台に登場してきた。関係筋によると、ドラギ総裁は24日から米ワイオミング州ジャクソンホールで開かれる経済シンポジウムで金融政策について新たなメッセージを発することはないとみられるが、総裁は9月か10月のECB理事会で出口問題を取り上げるとの観測が高まっている。

 しかしUBSのストラテジストのマニク・ナライン氏は、ユーロ圏で量的緩和の縮小が始まっても米国における緩和縮小ほどの打撃にはならない、とみている。「ECBのテーパリング(段階的な緩和縮小)も影響を及ぼすだろうだが、FRBほどでないのは確実だ」という。