[コペンハーゲン 23日 ロイター] - デンマークの警察は23日会見を開き、コペンハーゲンの海岸に打ち上げられていた頭部のない女性の遺体は、行方不明となっていたジャーナリストのものであると発表した。女性は同国の発明家が自ら建造した潜水艦の取材を行った後、行方が分からなくなっていた。

被害者のキム・ウォールさん(30)は、発明家のピーター・マドセン被告(46)が作った全長17メートルの潜水艦の内部で殺害されたと警察はみている。ウォールさんは今月10日、取材のためこの潜水艦に乗艦した後、行方が分からなくなった。マドセン被告はウォールさんは事故で死亡したとして、殺害を否定している。

会見の中で警察は、遺体には鉄製の重りが付けられており、遺体を海底へ沈める狙いがあったとの見解を示した。また遺体には無数の傷がつけられており、警察は遺体が再び海面に浮上しないよう、体内の気体を抜くため「空気穴」をつけたとみている。

遺体は頭部、両手と両脚が切断されていたが、DNA鑑定の結果、ウォールさんだと分かった。また潜水艦の艦内からもウォールさんの血痕が見つかった。ただ、死因は特定されておらず、ダイバーが残る遺体の一部の発見に努めている。

殺人罪で訴追されたマドセン被告は法廷で、ウォールさんを生きたまま海に投げ落としたとの当初の供述を覆し、ウォールさんは事故で死亡し、自分は遺体を海に遺棄しただけだとして無罪を主張した。

ウォールさんが行方不明となった翌日、マドセン被告の潜水艦が沈没。被告は救助されていた。

マドセン被告は事件以前からデンマークでは有名人で、人類を自家製のロケットで宇宙へ送るとの目標を立て、「ロケット・マドセン」のニックネームでブログも執筆していた。

一方、ウォールさんはフリーのジャーナリストで、英紙ガーディアンや米紙ニューヨーク・タイムズ、香港のサウス・チャイナ・モーニング・ポスト、米誌タイムなどへの寄稿で知られていた。