情報をできるだけ素早く、正確に伝えるというのは、どのビジネスにおいても求められる必須事項。ニュースと情報の総合メディア企業である時事通信社にとっては、業務の特性上、そのさらなる向上が求められていた。特に「電話」が重要な位置付けを占める同社が、円滑かつ迅速なコミュニケーションを実現するために取った施策とは。

ビジネス機会損失、
セキュリティの課題まで解決

時事通信社
システム開発局長
霜﨑忠則氏

 政治、経済、外交など時々刻々と変化する国内外の情勢。時事通信社は新聞社や放送局などマスメディアにニュースを配信する報道機関であると同時に、金融機関や企業に経済専門情報を、省庁や地方自治体には行政の専門ニュースを提供している。

 業務の特性上、情報の“速さ”と“正確さ”というのは同社の競争力の源泉でもある。一般企業だけでなく、金融機関、官庁・自治体までをカバーする営業担当者にとってもそれは同様で、「メールなどの文字情報では分かりにくいことも伝えられる電話は、当社のコミュニケーションツールとして重要な位置付けを占めています」とシステム開発局の山田一幸氏は強調する。

時事通信社
システム開発局
山田一幸氏

 しかし一方で、営業担当者が会社に不在の場合、部署にかかってきた電話を在席している人が取り次ぎ、伝言メモを残すことになる。帰社してから顧客に折り返し電話をかけるまでのタイムラグが発生し、ビジネス機会を失いかねない。

 そこで、営業担当者が個人のスマホの電話番号を顧客に公開し、顧客から直接スマホに電話をかけてもらうケースもあったが、「業務で使用したスマホの通話料を事後精算するのに手間がかかり、中には精算しないケースもありました。また、個人のスマホで大事な顧客情報が管理されることになり、セキュリティ上、好ましいことではありません」とシステム開発局長の霜﨑忠則氏は話す。

 そこで同社が実行したのが、電話設備の一部をクラウド化し、スマホを内線化するという解決法だ。これによって、これまでの設備を使い続けた場合に比べて約1割のコスト削減も実現したという。以下、同社の取り組み内容を紹介する。

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