そこで、目的を「いじめによる自殺の防止法」、読者を「小学生」と定めたとしたら、どうでしょう。小学生向けに、いじめ問題とからめて自殺をテーマに書く。それなら、書くことは一気にイメージが湧くのではないでしょうか。

さらに言うと、この2つを入れ替えたとしたらどうなるでしょう。

目的が「交通事故防止」で、読者が「小学生」。
目的が「いじめによる自殺の防止法」で、読者が「高齢者」。

高齢者に向けた交通事故防止の文章の素材は「高齢ドライバーによる事故が増えている話」や「夕暮れの時間に事故が増える話」などでしょう。

それが小学生向けに変われば、「横断歩道を渡るときには右折車に気をつける」「青信号でも事故が起きている」などの話になるはずです。

いじめ問題についても同様です。小学生にいじめと自殺をテーマに話をするなら、実際のいじめのエピソードがいいかもしれませんが、高齢者向けなら、いじめをめぐる統計データが有効かもしれません。

このように、読者と目的が変わると、素材はまったく違うものになるのです。