[ジャクソンホール(米ワイオミング州) 25日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)のイエレン議長は25日、米ワイオミング州ジャクソンホールで開催中の年次経済シンポジウムで、2007─09年の危機以降に導入された改革により、経済成長を阻害することなく金融システムが強化されたとし、いかなる将来的な変更も控えめなものにとどめる必要があるとの考えを示した。

この日の講演では金融政策については言及しなかった。

イエレン議長は「導入された中核的な改革により、不当に信用枠や経済成長が制限されることなく、レジリエンス(回復する力)が大幅に強化されたことが調査で示唆されている」と指摘。

ただ、銀行の自己勘定取引を制限する「ボルカー・ルール」のほか、中小行に対する規制など、個別の規制を一部変更することは正当化されるとの認識を示し、金融システムは引き続き「堅固」であるとしながらも、債券市場の一部の流動性改善に向けた措置は必要となっていると述べた。

そのうえで、現在の金融システムは将来的に発生する可能性のある衝撃に対する耐久力が増しており、こうした金融システムに対しては「規制の枠組みの調整は控えめなものにとどめ、レジリエンスの高まりを保全するものである必要がある」との考えを示した。

トランプ米大統領はこれまでに金融規制改革法(ドッド・フランク法)などの規制が経済の足かせになっているとし、金融規制を見直す方針を表明。トランプ氏がFRBの銀行監督担当副議長に指名したランダル・クォールズ氏はこうした見直しの推進派として知られている。

イエレン議長は、自身および現在のFRB当局者はさまざまな規制が実際にどのように運用されているのか検証することには反対していないとし、「適切な調整を検討している」と表明。ただ、過去から学んだ教訓を忘れてはならないとの認識を示し、現在の金融システムの安定性は、危機の再来に対する防御となっていると述べた。