[ベルリン/マドリード 30日 ロイター] - ドイツとスペインで8月の消費者物価指数(CPI)が予想より大きく上昇し、両国の物価上昇がユーロ圏のインフレ率を欧州中央銀行(ECB)の目標に向け押し上げている可能性があることが示唆された。ECB内の緩和縮小派の論拠となる公算がある。

ドイツ連邦統計庁が30日に発表した8月のCPI速報値は欧州連合(EU)基準(HICP)で前年比1.8%上昇し、は予想の1.7%を上回った。伸びは前月の1.5%から加速。4月以来の大幅な上昇となった。ECBの目標には届かなかったものの、欧州最大の規模を持つドイツ経済が欧州の物価圧力を押し上げつつあることが示された。

前月比では0.2%上昇と、予想の0.1%を上回った。

8月はエネルギーと食品がけん引。一方、サービスは7月ほど大きく伸びなかった。

国内基準では前年比1.8%上昇、前月比0.1%上昇となり、ともに予想と一致した。

ドイツ復興金融公庫(KfW)のエコノミスト、イェルク・ツォイナー氏は「ドイツ経済が絶好調となっているため、インフレは上向いている」とし、「ECBは政策の正常化を継続できるため、ECBにとり朗報となる」と述べた。

独経済成長率は第1・四半期は0.7%、第2・四半期は0.6%。内需が主なけん引役だった。第2・四半期は交渉賃金が過去最高となる平均3.8%上昇しており、好調な経済が所得増につながっていることが示されている。

スペインの8月のHICP基準のCPIは前年比2.0%上昇と、前月の1.7%から加速し、予想の1.8%を上回った。

欧州連合(EU)統計局は8月のユーロ圏のCPI速報値を31日に発表する。

ECB当局者はこれまで、資産買い入れプログラムの延長もしくは縮小について今秋に決定するとの方針を表明。ワイトマン独連銀総裁らタカ派として知られるECB理事会メンバーは資産買い入れの迅速な終了はインフレ上昇により正当化されるとの立場を示しており、9月7日開かれる次回のECB理事会が注目されている。

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