[北京 29日 ロイター] - 中国政府は28日、石炭最大手の神華集団と、大手国有電力会社の中国国電集団の合併を発表し、世界最大級の電力会社が誕生することになった。ただ、中国の他の電力会社は、数カ月後に冬の到来を控えたこの時期に重要な石炭の供給源を失う上、強大なライバルの出現に直面する。

新会社は企業価値が2800億ドルで、発電能力は225ギガワット前後と、フランス電力公社EDF<EDF.PA>やイタリアのエネル<ENEI.MI>を凌ぐ規模になる。

中国の電力会社の多くは神華集団から石炭を購入している。神華の昨年の石炭生産量は36億4000万トンと、中国全体の8%を占めた。比率は小さいが、2位の山西焦煤集団に比べれば2倍以上だ。

電力大手、華潤電力<0836.HK>の石炭買い付け担当者は「(神華が)冬用の供給をわが社に十分与えてくれるかどうか、非常に心配だ」と話す。

この人物によると、華潤と神華は来週、冬用の石炭購入の量や条件を交渉するが、「神華が冬の供給で中国国電集団を優先するのは間違いないだろう」。

中国政府はここ1年、スモッグ対策の一環として石炭採掘能力を強制的に削減したため、石炭価格は急上昇し、電力会社の利ざやが圧縮された。

価格上昇により石炭会社の利益は膨らみ、斜陽産業とされたこの業界が息を吹き返している。神華はことし上期、国有コモディティ企業として最も大きな利益を上げた。

中国で合従連衡が進めば、石炭輸入が増えるためオーストラリアやロシアなどの石炭輸出国にとっては朗報かもしれない。

中国の電力会社は通常、石炭の調達源を分散しているため、長期的な影響は小さいとの声もある。しかしある大手電力会社筋によると、神華が中国国電以外への販売を絞るようなら、調達源を広げるだけの資金力を欠く内陸部の中小電力は「新たな供給元の確保に苦慮」するかもしれない。

ウッド・マッケンジーのアジア太平洋電力・再生可能エネルギー担当首席コンサルタント、フランク・ユー氏によると、神華の石炭生産量が大きく、石炭供給確保の争いが起こりそうなことを考えれば、電力業界ではさらなる統合が進みそうだ。

「他の電力会社が、石炭供給が偏って競争が不利になるのでは、と心配するのは自然な流れだ。こうした懸念を背景に、対抗措置として他にもウィン・ウィンの合併が進むだろう」という。

中国政府はエネルギー産業を改革し、石炭会社と電力会社の利益相反を無くすという広範な計画を掲げており、合従連衡はこうした政策とも合致する、とユー氏は語った。

(Meng Meng記者 Josephine Mason記者)