[東京 31日 ロイター] - ホンダ<7267.T>は31日、主力の軽自動車「N―BOX(エヌボックス)」の新型車を9月1日に発売すると発表した。2011年12月の初代発売以来初の全面改良で、約9割の部品を見直した。

高齢ドライバーの事故が相次ぐなか、誤発進を防ぐ機能をホンダ車として初めて採用し、安全運転支援システム「ホンダセンシング」を標準搭載。助手席を前後に大きく動かして車内を移動できるようにするなど使い勝手も高めた。

販売計画は月1万5000台。7月7日から始めた事前受注は2万5000台に達しており、13年発売の主力小型車「フィット」3代目(2万7000台)に次ぐ歴代2位という。価格(税込み)は138万5640円から。初代から10万円以上高くなったが、寺谷公良執行役員は、装備の向上と比べると「お買い得感は十分ある」と述べた。

ホンダセンシングはミリ波レーダーや単眼カメラなどで車の前後方を認識し、衝突軽減ブレーキや車線維持支援などに対応。軽では安全装備が上級タイプのみの設定やオプションが多い。同社が昨年発売した小型ミニバン「フリード」や今年一部改良したフィットでもオプションだったが、寺谷氏は「いずれも装着率が80%を超えていた。軽でも十分に需要があると確信が持てた」と語った。

子育て世代などの利便性にもこだわった。助手席を57センチメートル、スライドして動かせるようにし、子どもを乗せる後部座席から運転席に移動できたり、後部座席との距離が近づくようにした。安全装備の搭載で新たな部品が増えたものの、高張力鋼板の採用拡大や新たな接合技術などを導入し、改良前に比べ約80キログラム軽量化した。

N―BOXは16年度まで2年連続で軽販売首位、同社の国内販売で約3割を占める最量販車で、シリーズ累計販売は112万台を超えている。通常は新型車発売を控えて旧型は販売が落ちるが、今年7月は前年同月比11.4%増の1万4503台と軽として17カ月連続でトップを維持、登録車を含めても4カ月ぶりの首位だった。

開発責任者の白土清成氏は、モデル末期を迎えても売れ続ける「化け物のような車」と表現、「普通にモデルチェンジを行ったらこけると思い、(開発に取り掛かるのに)1週間くらい悩んだ」と打ち明ける。また「N―BOXのモデルチェンジというよりも、次世代ファミリーカーのスタンダードと言われるような車を作りたかった」と話した。

同社は軽の開発、購買、生産、営業の機能を鈴鹿製作所(三重県鈴鹿市)に集約し、顧客の声を開発にすぐ反映できる体制を敷く。一部改良による商品力向上が奏功し、シリーズの中での「乗り換えも多い」(寺谷氏)。

*内容を追加しました。

(白木真紀 取材協力:田実直美)