自分でも工夫して話しているつもりなのに、「部下にまっすぐ指示が伝わらない」「頼んだとおりにしてくれない」と悩んでいるマネジャーは多いと思います。コミュニケーションには、会話や文字などによる「verbal communication(言語的コミュニケーション)」と顔の表情や声の大きさ、視線、ジェスチャーなどによる「non-verbal communication(非言語的コミュニケーション)」があります。心理学者のアルバート・メラビアン博士によると、言語的コミュニケーションが伝える情報は全体のたった7%だそうです。けれどもビジネスの場では、メールや電話など言語的コミュニケーションに頼る機会が多いので、伝えたはずなのに伝わらない、という問題が生じてしまいます。では、言語的コミュニケーションの限界を認識したうえで、少しでも伝わりやすい話し方について考えてみましょう。(フリーライター 松永美樹)

一度に話す内容はひとつに絞ろう

 効率を重視し、関連することをまとめて伝えたいという思いから、一度にたくさんのことを会話に盛り込んではいないでしょうか。自分では工夫しているつもりでも重要なことが伝わらなかったり、内容が盛りだくさん過ぎて理解の範囲を超えていることもあります。「そのときに一番伝えたいこと」をひとつだけ話すことを心がけたいものです。

 話し方の順序も大切です。状況や理由から話し始めるとどうしても脱線しがちなので、まずは結論に当たる「伝えたいこと」を話すようにしましょう。状況や理由は、相手が「伝えたいこと」を受け取ったあとに追加すれば、理解しやすくなります。

 たとえば「取引先の〇〇商事は大切な取引先で、なぜかというと~~、担当者はせっかちで気が変わりやすいから~~、気を付けなければいけないのは~~、なのであまりお待たせしないように対応してほしい」では、部下はどうすればいいのか迷ってしまいます。