次の課題は、新しく始めるよりも「いかにやめるか」

――チームでの意思決定がなされていくなかで、星野代表はどういった点に介入するのでしょうか。

星野 フラットな組織を作るために私が担う役割は大きく2つです。ひとつは、事業拠点が増えているなかでも、その組織文化を維持すること。もうひとつは、すでに行われている活動から「やめるもの」を明確にすることです。

「良いチーム」が機能して、新しく効果的な活動はスタートさせやすくなった。しかし、過去にやっていたことをやめるのは、我々のチームの作り方だとタイムリーにできていなかったので、そこへは介入していきたいですね。目指す組織にとってのやめるべき活動を、やめるべきタイミングで幕引きしたいのです。

 この課題を考え始めて行き当たりましたが、これは組織論でもいちばんに難しい。なぜなら、続けている活動は何らかの効果を出しているからです。ただ、効果には大小があり、新しくやりたいことはたくさんあるからこそ、小さなものをやめてリソースを配分できるかが重要です。そうしないと常にリソースが足りず、どの部署も人手や予算不足になってしまいます。当社もこの2年、3年で取り組んでいくところです。

――星野リゾートは2014年にタヒチ、2017年にはバリと海外でも事業を展開されていますが、国内市場との違いをどのようにみていますか。

星野 「フラットな組織」文化は日本同様に反応が良いです。モチベーション維持に関して反対する人はいませんし、発言の自由度を含めてこの組織文化は受け入れられやすい。タヒチはフランス語圏ということもあって、最初からみんな意識がフラットでした。今後も世界中で、フラットな組織による楽しい仕事をする環境は、どこにいっても通じるテーマであると思いを深めています。

――最後に、今後の戦略についてお聞かせください。

星野 星野リゾートとしては2つの新しいことを仕掛けていきます。まずは都市観光。観光のセグメントでは都市の占める割合が多いのですが、星野リゾートとしては拠点を設けられていませんから、そこへサービスしていく。もうひとつは海外拠点。サービス業において、日本のホテルは後発です。先進国であるアメリカやヨーロッパに少しでも食い込んでいけるような運営をして、海外拠点をいかに増やしていけるかが大事だと考えています。

――本日はありがとうございました。