[東京 4日 ロイター] - 7月に任期満了で日銀審議委員を退任した野村総合研究所の木内登英エグゼクティブ・エコノミストは4日、ロイターとのインタビューに応じ、昨年9月に導入した長期金利も操作対象とするイールドカーブ・コントロール(YCC)政策は景気の振幅を大きくするなど多くの問題を抱えているとし、特に経済にマイナスのショックが発生した場合は存続が不可能になると語った。

現在の年間約60兆円ペースの国債買い入れを継続すれば、来年半ばにも限界が来るとも分析。このためYCCは廃止が望ましいものの、次善策として操作対象を現行の10年国債利回り(長期金利)から5年や3年などに短期化することで、緩和策からの出口局面でのリスク軽減を図ることが考えられるとした。

景気が落ち込んだ場合などに効果的な追加緩和手段は「もはやない」としたが、追加策に追い込まれる可能性があると指摘。その場合、長短金利の引き下げは金融仲介機能などへの影響が懸念されるため、マネタリーベース拡大への回帰が選択される可能性があると語った。

また木内氏は、YCCの導入によって日銀はすでに金融政策の正常化に半歩踏み出しているとの認識を示したが、本格的な正常化には現在の2%の物価安定目標の位置づけを見直す必要があると強調。来年4月に任期を迎える黒田東彦総裁の後任とその政策スタンスが不透明な中で、日銀が黒田氏の任期前に物価目標の柔軟化を検討する可能性に言及した。

(伊藤純夫 木原麗花)