[4日 ロイター] - <為替> ドルが幅広い通貨に対し下落し、ドル指数が2年半ぶりの低水準に迫るなか、ユーロがこのところの力強い地合いを維持した。

ソシエテ・ジェネラル(ロンドン)の外為ストラテジスト、アルビン・タン氏は「ドルの幅広い通貨に対する下落が市場の大きな流れとなっており、ドルの短期的な見通しは思わしくない」としている。

北朝鮮は3日、大陸間弾道ミサイル(ICBM)に搭載する水爆の実験に成功したと発表。これを受け米国のマティス国防長官は「米国やグアムを含む米国領土、あるいは米国の同盟国へのいかなる脅威にも大規模な軍事措置で対応する」とし、その措置は「効果的かつ圧倒的」なものとなると警告した。

これを受け、円とスイスフランが対ドルで上昇。海外市場で取引される中国人民元もこの日の取引で対ドルで約1年3カ月ぶりの高値を付けた。

みずほ銀行(ロンドン)のヘッジファンド取引部門責任者のニール・ジョーンズ氏はこうした動きについて「地政学イベントに対する典型的な『リスクオフ』反応だった」と指摘。ただ「ユーロは堅調さを維持しており、例外的な動きを見せている」と述べた。

<ロンドン株式市場> 4営業日ぶり反落。地政学リスクの高まりを受けて警戒感が広がる中、銀行株を中心に高リスクとされる銘柄に売りが出た。

CMCマーケッツのデイビッド・マデン氏は、北朝鮮の核実験を受け再び緊張が高まったことを指摘したうえで、「トレーダーは神経を尖らせ、株価は下落している。しかし、過去にみられたほど幅広い下げになっているわけではない」と語った。

<欧州株式市場> 北朝鮮の水爆実験実施を受けやや軟調となったものの、市場は地政学的な緊張の高まりに慣れた可能性があり、大規模な売りが誘発されることはなかった。

STOXX欧州600種指数が0.5%安となったほか、FTSEユーロファースト300種やCAC40種を含む欧州の主要株式指数は0.3─0.8%安となっている。

こうしたなか安全資産とされる金に資金が流れ、産金大手のランドゴールド・リソーシズは2%、金・銀生産のフレスニロは2.9%、それぞれ上昇した。

自動車大手フィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)は1.3%安。セルジオ・マルキオーネ最高経営責任者(CEO)がこれまでいずれの企業からも買収の打診は受けておらず、「大きな取引」にも取り組んでいないと明らかにしたことが嫌気された。

<ユーロ圏債券> 北朝鮮の核実験実施を受け安全資産とされる独連邦債への逃避買いが膨らむ中、独2年債利回りが約4カ月ぶりの低水準をつけた。今週は欧州中央銀行(ECB)理事会が焦点となるはずだったが、北朝鮮の核実験を受けて同地域を巡る緊張が高まる中、市場には不透明性が漂った。

ナティクシスの戦略主任ジャンフランソワ・ロビン氏は「世界中でリスクオフムードとなり、主要国市場ではイールドカーブがフラット化している」と語った。

世界的に安全資産が買われ、日本の10年国債利回りはマイナス0.010%と、10カ月ぶり水準に沈んだ。金相場は約1年ぶりの高水準に達した。

独2年債利回りはマイナス0.769%と、4月以来の低水準。10年債利回りも一時0.36%と、前週つけた2カ月ぶり低水準に迫った。

この日は米市場がレイバーデーの祝日で休場となったため、商いは薄かった。